のうがく図鑑

第66巻

病気の治療より、そもそも動物を病気にしないために!

獣医学科
末吉 益雄 教授

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 産業動物衛生学研究室は 1949 年創立の70年超の歴史ある研究室で、主に家畜の健康に関する調査・研究をしています。「病気の治療より、そもそも動物を病気にしない!」がモットーで、病気になった動物を治してあげるのは勿論ですが、それ以前に、動物の環境に留意し、病気にならないように衛る、ことに力を注いでいます。飼われた動物の健康は飼い主さんに依存しています。飼う人が気をつけないと、その動物の病気は、治療して回復しても、また、繰り返しになってしまいます。

 主な研究として、牛については、大腸菌O157などの病原大腸菌に関する牛農場における調査、豚については、浮腫病、豚増殖性腸症や豚流行性下痢に関する疫学調査や病態の発生機序の解明とそれらの防疫、鶏については、サルモネラ症や大腸菌症に関する疫学調査や薬剤感受性試験、馬については、ローソニア感染症に関する疫学調査、また、人に飼われてはいない野生動物についても、家畜との共通伝染病(例えば、口蹄疫、豚熱、高病原性鳥インフルエンザなど)の伝播・拡散を防止するための農場への侵入防止対策について調査・研究をしています。さらに、各動物種に共通しているものとして、動物舎の消毒法の検証など農場バイオセキュリティについても調査・研究しています。得られた研究成果は、大学院生や学生にも国内外の学会発表の機会をつくり、多くの学会賞等を受賞し、それらは国内外学術雑誌で公表しています。

 当研究室の主な社会活動として、口蹄疫、高病原性鳥インフルエンザや豚流行性下痢の早期発見やまん延防止などの対策について、農場生産者、農水省、動衛研、宮崎県、市町村などとの共同調査・研究を実施し、防疫講習会などで啓発しています。また、海外研究者や留学生を受入れ、技術伝達するとともに、国際協力事業団(JICA)などの委嘱を受け、タイ、ベトナム、メキシコなどの研究機関にて技術指導を行うなど国際貢献にも数多く関わっています。当研究室HP(https://www.cc.miyazaki-u.ac.jp/msuei/index.htm#eisei)では、国内外の家畜衛生情報など、最新情報を随時更新中です。

 当研究室の卒業生・修了生の就職・進路は、幅広い職種に就いており、1999年以降では、家畜保健衛生所(17 名)、小動物臨床(9 名)、食肉衛生検査所(8 名)、牛臨床(8 名)、豚臨床(4 名)、博士課程大学院進学(3名)、製薬企業(3 名)、農林水産省(2 名)、動物園(2 名)、保健所(2 名)で、飼料企業、食肉企業、出版社、獣医看護学校、養豚場、養鶏場、JRA、農政行政および大学研究員に各 1 名を輩出しました(2021 年現在)。

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