のうがく図鑑

第67巻

サカナの免疫機構の解明

酒井 正博 教授
応用生物科学科

1.サカナのサイトカインに関する研究

 私たちの研究室では、サカナの免疫機構についての研究をおこなっています。その中でも、免疫系の細胞のコミュニケーションをおこなうサイトカインとよばれる分子に着目しています。ヒトでは、100種類以上のサイトカインが、同定されています。サカナでもヒトと同じようなサイトカインが存在し、免疫系の調節をおこなっています。私たちの研究室では、このサイトカインの遺伝子をサカナからクローニングし、その機能を調べています。このサカナのサイトカインの研究では、私たちの研究室は、世界のトップクラスであり、インターロイキン2,7,17,21,22,インターフェロン等のサイトカインは、サカナでは世界で初めてクローニングに成功しました。現在、その機能についての研究を行っており、新しい知見が得られつつあります。

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図1.コイのインターフェロン遺伝子の遺伝配列
 私たちは、世界で初めてコイから2種類のインターフェロン遺伝子を分離した。

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図2.インターフェロンによって誘導される関連タンパク質(Mx)
 このインターフェロン遺伝子のレコンビナントタンパク質を作製し、それをコイに投与したとこり、インターフェロン誘導タンパク質の増加が確認された。

2.魚類の免疫賦活剤に関する研究

 養殖されているサカナをいかにして病気を防ぐか?これは水産養殖にとって重要な課題です。私たちは、魚類の免疫系を活性する免疫賦活剤の開発を行っております。これまでに、キチン、レバミゾール、ラクトフェリン、グルカン、ヌクレオチド、DNAのCpGモチーフ等の多くの免疫賦活剤の研究をおこない、いくつかは製品化されています。

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図3.ヌクレオチドを投与されたコイの貪食能
 投与されたコイは、有意に貪食能が増強していた。

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図3.ラクトフェリンを投与されたニジマスの耐病性の増加
 ラクトフェリンを投与されたニジマスでは、ビブリオ病に対して40倍もの防御能の増加が認められた。


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