医学獣医学融合による統合動物実験研究プロジェクト
-Integrated Research Project for Human and Veterinary Medicine-
-動物実験の有効活用を核とした基礎・橋渡し・臨床研究のスパイラル展開によるヒト・動物疾病に対する予防・診断・治療法の開発と人材育成-


【本プロジェクトの目的と概要】
 本プロジェクトは、平成22年4月に、本学に我が国で初めて設置された医学獣医学総合研究科と連動して、文部科学省特別経費(大学の特性を生かした多様な学術研究機能の充実)のサポートを受けて実施する宮崎大学医学獣医学総合研究科の研究教育プロジェクトである。

 医学、獣医学の医療対象はヒト、動物と異なるため、それぞれ個別の研究組織で教育研究が行われてきた。一方、ライフサイエンスという点では、非常に共通性の高い研究領域であり、類似の研究スタイルとアプローチによって、様々な基礎研究や応用・臨床研究が展開されてきた。医学と獣医学の教育研究内容を通覧すると、それぞれに特化した独自の研究テーマも存在するが、共通したテーマも多数存在する。共通の研究テーマに関しては、医学と獣医学が連携することで新規性の高い研究をより効率的に展開することが可能と考えられる。しかし、医学と獣医学の間には、それぞれ独自の組織で学部・大学院教育が行われてきたという歴史的な背景に加え、最終的な研究対象が異なる(ヒトと動物)ために生じる問題も存在する。例えば、医学では、動物の解剖・生理を十分理解しないでヒトのモデルとして動物実験を行い、その結果を単純にヒトに当てはめるといった陥穽に陥りやすく、獣医学では、ヒトの疾病に対する理解が不十分なために、ヒト疾病の解析に直接応用しうる動物疾病や動物モデルの有用性に気が付かないことも多い。

 しかし、平成22年4月に医学獣医学総合研究科が設置されたことにより、これまで医学部と農学部獣医学科のそれぞれで行われてきた互いの研究を融合連携させることが容易となり、これまで成しえなかった新たな領域へ研究を展開することが可能となった。特に、動物実験を有効に活用できる研究課題については、飛躍的な発展が望める。そこで、本プロジェクトでは、本学の医学と獣医学において進めてきた研究の中から、本学の地域特性、教育研究実績、社会的緊急性等を踏まえたうえで、医学系と獣医学系の研究者が協働して行う動物実験を核として、両者のこれまでの研究基盤を融合させることによりスパイラルアップ的な新展開を図ることができる研究課題として、以下の3課題に焦点を絞り、新たな研究を展開する(図1)。さらに、その成果を基にヒト・動物疾病の新規予防・診断・治療法の開発とその開発研究基盤の確立を図る。

(課題1)医学系・獣医学系の共同取組みによる疾病動物モデルの開発とこれを用いた発症メカニズムの解明及び治療法開発 (図2)
(課題2)医学系・獣医学系の両面からのアプローチによる人獣共通感染症対策の確立 (図3)
(課題3)医学・獣医学連携による生理活性ペプチド研究からペプチド創薬への展開 (図4)

具体的には、課題毎に医学系・獣医学系の共同研究プロジェクト(サブプロジェクト)を学内公募し、下記の本PJ推進チームによる選考で採択されたサブプロジェクトを実施する(平成22年度採択:21サブプロジェクト、平成23年度採択:2サブプロジェクト)。また、各課題において実践型教育研究を展開し、動物実験カリキュラムの開発と新たな人材育成を行う(図5)。


【プロジェクト(PJ)推進チーム】
 以下のメンバーによるPJ推進チームが中心となって本PJを運営・推進する。

PJリーダー:医学獣医学総合研究科・研究科長(迫田 隅男)
副PJリーダー:フロンティア科学実験総合センター長(林 哲也)
課題1 領域コーディネーター:浅田 祐士郎(医)・浅沼 武敏(獣医)
課題2 領域コーディネーター:林 哲也(医)・三澤 尚明(獣医)
課題3 領域コーディネーター:伊達 紫(医)・村上 昇(獣医)



図1:医学獣医学融合による統合動物実験研究プロジェクト


図2:医学系・獣医学系の共同取組みによる疾病動物モデルの開発とこれを用いた発症メカニズムの解明及び治療法開発


図3:医学系・獣医学系の両面からのアプローチによる人獣共通感染症対策の確立


図4:医学・獣医学連携による生理活性ペプチド研究からペプチド創薬への展開


図5:大・中・小動物を用いた実践型教育研究の展開と動物実験モデルカリキュラム開発を通じた人材育成




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