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国際学会派遣

2010/04/07

国際学会派遣助成 平成21年度 武藤 絵里さん

平成21年度国際学会派遣事業採択者レポート


助成事業「女性研究者支援のための国際学会派遣」の採択者よりお話をうかがいましたのでご紹介いたします。

フロンティア科学実験総合センター
生命科学研究部門・生理活性物質探索分野 武藤 絵里さん

国際学会の学会名(大会名)と開催地・開催期間は?


大会名:17th European Congress on Obesity(第17回 欧州肥満学会)
開催地:Amsterdam, Netherland(アムステルダム オランダ)
開催期間:2009年5月6日〜2009年5月9日

どういう内容の学会だったのですか?


欧州諸国に限らず、世界各国約76の国々から肥満に関係する基礎研究、臨床、教育等広範囲わたって最新の研究が一度に学べる学会でした。
どの会場でも活発に討論が行われており、若手研究者の為のセッションやソーシャルイベントも充実していたのが印象的でした。
しかしながら実際に日本から何のつてもなく独りで参加していた私は、「何故、欧州と関わりやコネクションも無いのに参加しているのか?」と聞かれる事が何度かありました。
チャレンジャー精神も必要ですが、ある程度コネクションがある状態で参加した方がもっと学会を楽しめたのではないかと反省させられました。

国際学会までの旅の印象やエピソードを教えてください。


トランジットの為、フランクフルト〜オランダの飛行機に乗った際に、同じ列の反対側に座っていた男性が隣の席の人に「どこから来たのか、アムステルダムに何をしに行くのか」と聞かれており、「アルゼンチンから学会参加の為に来た」と説明していました。
その時は、もしかしたら肥満学会の参加者かな〜なんて軽く思っていたのですが、後日学会場で偶然その男性をお見かけした所、実はとても偉い方のようで、他の参加者から色々挨拶をされていました。
また、アムステルダム・スキポール空港からホテルまでのリムジンバスを待っている間に知り合った日本人の女性の方も、色々話をしていくと欧州肥満学会に参加される為にアムステルダムにいらっしゃったようで、後日学会場でも何度かお話する機会がありました。
海外での学会になれば、学会場までの道のりは遠く大変なものになりますが、そこには様々な出会いやチャンスが転がっているのだという事を気づかされた出来事でした。

国際学会に参加した感想をお願いします。


ポスター発表では、多数の方から質問やご指摘・コメントをいただき、どうしたらもっと深い研究ができるのか、また自分の研究でどこが甘いのか等、色々な角度から物事をみる事を気づかされ、とても勉強になりました。
それと同時に、学術的英会話力のみならず、一番大切である研究テーマの知識の構築がまだまだで、これからもっと貪欲に学んでいかなければならないと痛感しました。
また、本学会で知り合った博士課程の学生との交流を通し、博士課程で学ぶ事は国に関わらず、日本の大学院生と同じように皆将来に対して不安を抱えながらも、研究が楽しいから必死に学んでいるのだと知り、研究者の世界の厳しさを再確認しました。

国際学会派遣公募の制度について感想をお願いします。


今回国際学会派遣公募により、業績が全くない修士の学生にも国際学会に参加する機会が与えられた事に非常に感謝申し上げます。それと同時に、この制度を利用して多くの大学院生が国際学会に参加し、世界の第一線で活躍する研究者や、同じように頑張っている世界の大学院生との交流するきっかけとなることを願っています。本当にありがとうございました。

アムステルダム風景

アムステルダム風景