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国際学会派遣

2010/04/07

国際学会派遣助成 平成21年度 平野 菜穂子さん

平成21年度国際学会派遣事業採択者レポート


助成事業「女性研究者支援のための国際学会派遣」の採択者よりお話をうかがいましたのでご紹介いたします。

医学系研究科 医学専攻 博士課程1年
フロンティアRI分野 清武分室 平野 菜穂子さん

国際学会の学会名(大会名)と開催地・開催期間は?


大会名:8th International Conference on Ribosome Synthesis(第8回 リボソームミーティング)
開催地:Regensburg, Germany(ドイツ、レーゲンスブルグ))
開催期間:August 26-30, 2009

どういう内容の学会だったのですか?


Ribosome(リボソーム)は細胞小器官の一つで、タンパク質合成の場として知られています。
体内のタンパク質が正常に作られなければ、全ての生物は生命活動を維持することができなくなります。
そのため、リボソームの役割を明らかにすることは生命現象の様々な疑問を解明するために重要な意味があります。
Ribosome Synthesisは、世界のリボソーム研究者の交流を目的として1988年に第一回が開催され、その後3年ごとに行われています。
年々参加者は増え、今回は約200名のリボソーム研究者が世界中から集まりました。
『リボソームの構造と機能』というテーマの研究が今年度のノーベル化学賞を受賞したことからも、リボソーム研究の重要度がうかがえます。

国際学会までの旅の印象やエピソードを教えてください。


学会はミュンヘンからドイツ鉄道で北東に1時間半くらい移動した、Regensburg(レーゲンスブルグ)で開催されました。
レーゲンスブルグは、市の中心にある旧市街がユネスコ世界遺産に登録されており、ドナウ川にかかるドイツ最古の石橋が有名な古都です。
実際に訪れたレーゲンスブルグは、石畳の道路や歴史を感じさせる教会が素敵な小さな街という印象でした。
余談ですが、今回の滞在で最初に使ったドイツ語は「テラ・ビッテ」(お皿下さい)でした。
日本の居酒屋では取り皿がテーブルごとに用意してあるのに対し、ドイツの料理は一人一皿が基本(?)のようで、小学生くらいの女の子でもピザを一枚食べていたのに驚きました。
また、8月末でも肌寒く感じたのですが、ほとんどの人がテラスで食事やビールを楽しんでおり、テラスは満席でも店内はガラガラだった事からも文化の違いを感じました。

国際学会に参加した感想をお願いします。


ポスターセッションは約2時間と限られていた中、アメリカやイスラエル、フランスなど様々な国の参加者が私のポスターに興味を持って見に来てくれました。
片言の英語ながら説明し、理解してもらえたことで、英語でのコミュニケーションに自信がつきました。
しかし、口頭発表の内容については、きちんと理解できなかった事もあり、日頃から英語力の向上に努めたいと思いました。
また、私が研究している遺伝子を最初にクローニングした教授にポスターを見に来ていただき、実験に関する具体的なディスカッションができました。
帰国してからもメールで手技的なアドバイスを頂き、今回の学会に参加しなければ出会うことができなかった方々との繋がりを持てたことが最も良かった点だと思います。

国際学会派遣公募の制度について感想をお願いします。


国際学会派遣公募の制度がなければ、今回この国際学会に参加することはなかったと思います。
学生のうちに、世界中から集まった研究者の中で情報収集や発表を行う、という貴重な経験をさせていただき感謝しています。