宮崎には「わたし」を大切にできる大学があります

女性研究者紹介 詳細

2010/04/06

教育文化学部 英語教育講座 英米文学分野 新名 桂子 先生

香川県高松市生まれ。
1988年筑波大学第二学群比較文化学類卒業。
1990年修士(文学)筑波大学。
1997年筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科イギリス文学専攻単位取得満期退学。
1999年筑波大学外国語センター準研究員。
2002年同助手。
2002年宮崎大学教育文化学部助教授。
2007年同准教授。
現在に至る。

研究内容について教えてください。


私の専門は19世紀以降のイギリス小説です。
特にアイルランド系の作家に強く惹かれていて、研究の原点は、わが国でも人気の高いエミリ・ブロンテの『嵐が丘』(Wuthering Heights)です。
この中学時代からの愛読書を、卒論と修論の両方で扱いました。
修論のあと、自分の研究の幅を広げるため、次の研究対象を考えたときに、ちょうど院の授業で読んでいた「ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』(Ulysses)以外にない!」と思うようになり、現在はこちらを中心に研究を続けています。
女性研究者としての視点を大切にしながら、文学の魅力と迫力を上手く伝えられるような研究を目指しています。

プライベートや研究、その両立について教えてください。


今、英文学の授業で、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』(Alice's Adventures in Wonderland)を原文で読んでいます。
先日、ある学生が研究室にやってきて、「大体意味はとれたが、一部面白さがどうしても分からない」とのことだったので、ヒントを出しました。
すると、「なるほど!」と分かったようで、その後は楽しく読めているようです。
この「面白さを見つけて楽しむ」能力は、試験で試されるような知識を基礎とした能力と対極にあるものかもしれません。
しかし、本の中だけでなく人生の何事にも「面白さを見つけて楽しむ」ことができたなら、どれほど人生が豊かになることでしょうか。
この学生の面白さが分かった瞬間の嬉しそうな顔は、文学の教師にとって大変嬉しいものでした。

これから研究者を目指す女性へメッセージをお願いします。


私が大学院に入って2年が過ぎた頃、若い女性の先生が赴任して来られました。
アメリカの大学院で教育を受けたとてもエネルギッシュで魅力的な先生でした。
その先生からは、研究のことのみならず、ものの考え方や生き方全般にわたって沢山のことを教わった気がします。
もしも困ったことがあったなら、少し先を歩んでいる魅力的な女性研究者を見つけて相談してみてはいかがでしょうか。
きっと大きく世界が開けると思います。