宮崎には「わたし」を大切にできる大学があります

女性研究者紹介 詳細

2011/03/11

教育文化学部 中国語 藤井 久美子先生

 大阪大学文学部哲学科から、大阪大学大学院言語文化研究科(修士・博士後期課程)に進学。宮崎大学には平成14年4月に赴任。今年の4月で宮崎生活10年目に突入。

研究内容について教えてください。


 近現代中国(台湾を含む)の言語政策を研究しています。中国社会が近代国家を建設しようとする過程で共通語はどのように作られたのか、政治・言語・国民(人民)の関係について考察しています。また、現在は、国家を超えた中国系移民の言語生活についても研究を進めています。
 大学受験の時に小論文対策で読んだ田中克彦先生の『ことばと国家』には非常に強い衝撃を受けましたが、研究者として自分がこの方面の研究に携わるとは、高校生の時には思ってもみませんでした。(高校時代は『伊勢物語』の研究をするのが夢でした。)


プライベートと研究の両立について、何か心がけていることなどはありますか?


 自身は特定の宗教信者ではありませんが、人にはそれぞれ生まれた時に神様から与えられた使命があると思っています。女でも男でも、いくつになったとしても、人はそれを果たすべく、毎日を過ごせばいいのではないでしょうか。「両立」(つまりは二つ?)というような発想からは抜け出して、一つでも二つでも百個でもいくつでも、自分のやりたいこと・やるべきことをやればいいと感じています。

 

これから研究者を目指す女性へメッセージをお願いします。


 博士論文執筆の追い込み時期に読んだ倉沢愛子先生の『女が学者になるとき』は、研究者として生きている私にとってはバイブル的存在です。学者を目指すなら、男女、文系・理系を問わず、是非一度読んでみてください。本書は「いつの世も女が人並みに認知されるためには、男の何倍も働かなければならない。女が学者になるというのは、こういうことなのかもしれない」という言葉でしめくくられています。