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女性研究者奨励賞

2013/04/03

女性研究者奨励賞 平成24年度 秋枝さやかさん

平成24年度女性研究者奨励賞採択者レポート


「女性研究者奨励賞」の表彰者よりお話をうかがいましたのでご紹介いたします。

宮崎大学フロンティア科学実験総合センター 助教 秋枝さやかさん

研究内容をおしえてください。


 普通の人は、たくさん食べると太ってしまいますが、中にはたくさん食べても太らないうらやましい体質の人がいます。ネズミにもたくさん食べても太らない個体が少数存在します。私たちは高脂肪食を食べても太らないネズミ(ラット)から、高脂肪食耐性につながるいくつかの候補分子を同定しました。その候補分子を導入した遺伝子改変動物を作成し、詳細な機能解析を行うことで、脂質代謝に関わる新たな生体システムについて研究しています。また、エネルギー代謝調節や摂食調節に関わるホルモンと脳内の神経ネットワークや臓器間の関連についても研究しています。これらの研究を通して、新規の肥満治療標的分子を同定することを目指しています。

進路選択や現在の研究に携わるようになったきっかけは何ですか?


 現在は、生物系の分野にどっぷり浸かっていますが、高校生の頃は生物という科目があまり好きではなく、暗記することばかりで面白くないと思っていました。とある先生と出会って生物分野の歴史的な発見の経緯などを教えてもらうようになってから、興味を持つようになりました。生物の世界はブラックボックスだらけで、まだ発見されていないことが山ほどあると思い、生物系の大学に進学しました。子どもの頃は動物も特に好きではなかったのですが、今では動物園や水族館があると必ず行ってしまうようになりました。これまでの進路選択は、常に自分の興味があることと得意なことを基準に選んできたように思います。

研究のやりがいと今後の目標は?


 試験勉強は答えが用意されているものを解く作業ですが、研究は答えが用意されていないものを自分で考えるところが一番楽しいですし、とても難しいところだと思います。研究者として少しでも生物の世界のブラックボックスを解明していきたいと思っています。また、研究者は実験だけでなく、データを整理して論文を書いたり、研究成果を発表したり、いろいろな要素が必要なので研究を通じて成長できます。今後は、自分の研究成果によって病気の人々を治療できるように、あるいは人々の生活を豊かにできるように少しでも社会に貢献していくことが目標です。

女性研究者奨励賞受賞の感想をお願いします。


 女性研究者奨励賞をいただき、とても光栄に思っています。このような賞をいただけたのは、一緒に研究をしている研究室の方々と共同研究をしていただいている先生方のおかげです。いつもありがとうございます。
 女性は、ライフイベントを考えると仕事を続けたり、キャリアアップをしていくのが難しい面もありますが、少しでも女性研究者の人口が増えることを願っています。自分はここまでしかできないという線引きを自分でしてしまわないで、恐れずにいろんなことにチャレンジしたいです。

前列右側がご本人です

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