女性スタッフOG紹介

宮崎大学工学国際教育センター
助教 福島美穂子 先生

学歴(大学卒業以降)および職歴

  • 獨協大学外国語学部英語学科卒業(交換留学生として米国アラバマ大学へ1年留学)
  • 日本企業の海外営業部門でOLとして勤務
  • 英国エセックス大学 社会学部にて MAとPh.D. 取得
  • 英国エセックス大学社会学部で非常勤講師、リサーチアシスタント、埼玉大学教養学部研究員・非常勤講師を経て、2014年4月より宮崎大学工学部国際教育センターに勤務

研究内容や研究に携わるきっかけなど教えてください。

 私は会話分析という方法論を使い、人と人との社会的相互行為(コミュニケーション)、特に相互行為における社会的な関係性の表示を研究対象としています。日本、海外を問わず人は社会の日常において、相手のことや(先生なのか後輩なのか)、今いる場所(授業中なのか飲み会なのか、もしくは日本の大学なのか海外の大学なのか)や、文脈(聞き手として黙っているべきなのか・質問に答えるべきなのか)を言語のみならず、身体行動(視線や身体の動き)を見て総合判断し、会話をデザインします。その仕組みを紐解くことに興味があります。最近では、その仕組みをロボットに応用し開発する、といったプロジェクトで人間とロボットの相互行為分析も行っています。
 高校で1年間アメリカに留学をした時から、異文化コミュニケーションには常に興味を持っていました。全く英語が話せなかったのに、「とにかくアメリカに行きたい!」という自分の直感と勢いだけで(若気の至り)、アメリカの高校に編入しました。見事に何も理解できず、生まれて初めてテストで0点を取るボトムからのスタートでした。また南部のアラバマ州のその高校は生徒の8割以上がアフロアメリカンでしたので、言葉もアクセントも、文化も食事も習慣も常識も何もかも違っており驚きの毎日でしたが、不思議なことになぜか友達もできました。あそこで「心がつながったらどうにかなるのだ!」というコミュニケーションの心髄を体で理解した気がします。でも、「こころ」がつながっていても会話をしないとコミュニケーションはとれません。英語が話せなかったあの当時、自分自身がどう相互行為を可能にしたのか、という疑問が現在の研究につながっています。


普段のお仕事とプライベートについて教えてください。

 仕事は、宮崎大学工学部の国際化に関わる仕事全般です。日本人学生に対しては、留学サポート、英語のサポートなども行っています。国際教育センターにぜひ1度遊びに来て下さい。プライベートタイムは、工学部の方々とテニスをするのと、宮崎の観光です。


これから研究者・技術者を目指す女性へメッセージをお願いします。

 2つあります。1つは、世界を舞台に活躍できる、日本の技術を世界に発信できるエンジンニアを目指して頂きたいということです。
 もう1つは、男性社会にいる工学部女子だからこそ、男女平等の価値観を日本社会に広める先駆者になって欲しいです。日本社会において女性がキャリアをつむことは、まだまだ難しい状況です。女性の幸せは男性と結婚して家庭と子供を持つ事である、というような、本来は選択肢の一つでしかないものを当然と考える価値観が根強く残っています。しかし先進国と言われる多くの国々では、例えば結婚を含むパートナーシップのあり方に関しても多様化が進んでおり、様々な選択が可能になっています。そういったユニバーサルになりつつある価値観を日本社会に発信できる、グローバルな感覚を持ち合わせ、日本をリードするエンジニアを目指して頂きたいです。