女子高生の皆様へメッセージ

環境応用化学科                    教授 保田昌秀

手に職をつける

 「手に職をつける」は、昔から言われる「女性が結婚や子育てなどで、仕事を一時的に中断しなければならない時も、技術があれば稼ぎに戻れる」ことを端的に表した言葉です。環境応用化学科学生の女子の割合が十年ぐらい前から30%ぐらいになり、卒業後、子育てをしながら働く女子も多くなっています。研究室に配属されて来て、実験を一生懸命してくれる女子を見たとき、この子は、化学の仕事を一生できるのだろうか?子育て・家庭と両立できるのだろうか?これからどんな人生を歩むのだろうかと思うことがあります。結婚をして化学の仕事を離れる人もいますが、分析の仕事、特許の仕事、研究員の仕事などに就いて逞しくやっています。化学系卒業生のメリットは、卒業研究などの実験を通じて、測定装置、実験装置が使える、データの管理、プレゼンができる能力を身に付けられることです。まさに、「手に職をつけた」学生に育つことができます。

社会環境システム工学科              准教授 村上啓介

安全で快適な生活を支える

 社会環境システム工学科は、人々が安全で快適に生活するために必要な様々な技術を学べる学科です。道路、空港、港、ライフラインシステム等の計画・設計・建設・維持管理の技術等です。例えば、水道の蛇口をひねると水が出ますが、水はどのようにして皆さんに家まで届けられるのでしょうか?また、どのような仕組みで安全な飲み水になるのでしょうか?トイレや台所で流した排水は、どのような仕組みでキレイな水に変身して川や海に帰されるのでしょうか?賑やかで活気のある街づくりには、どのような工夫が必要なのでしょうか?私たちは、このようなことをあまり意識せずに暮らしていますが、実は、私たちの生活はたくさんの先進的な土木技術に支えられて成り立っているのです。あなたも、地球にやさしい土木技術を学んで、社会の役に立つ技術者を目指してみませんか。当学科では、入学者の約2割が女子学生で、卒業後は公務員や企業で活躍しています。

環境ロボティクス学科               准教授 田村宏樹

女性のセンスを取り入れたロボットが必要

 環境ロボティクス学科は"近未来の生活環境を創生する"ことをスローガンに、ロボット技術を学ぶ学科です。近い将来、ロボットは人々の生活の中に入ってきます。人の代わりの労働力や福祉・介護のサポートなど。特に、家庭生活の場面ではロボットを女性が使う機会が数多く出てくるものと思われます。そこで必要とされるロボットには、女性ならではの視点で提案された機能性やデザインが必ず必要となるでしょう。社会がロボット技術を持った女性の活躍を待ち望んでいるのです。就職でも有利に働くと思います。女性が考える機能性やデザインを持ったロボット製品が、日本のロボット製品の特徴となり、きっと世界に進出していくことでしょう。

機械設計システム工学科              准教授 各務聡

社会で必要な専門知識やスキルを身に付ける

 機械というと工場の大型機械を想像するかもしれません。しかし、機械工学は伝統的な機械だけでなく、太陽エネルギープラントや航空宇宙など科学技術のほぼ全領域を網羅しています。機械設計システム工学科は、機械の専門家を志す学生ために専門科目を提供し、卒業研究では物理現象の解明や新装置の創出に挑戦し問題解決能力などを培います。専門知識やスキルのおかげで就職が良く男女ともに様々な分野で活躍しています。現在、女性の社会進出が活発化したため女性ユーザへの配慮が必要であり、また、激動する社会を支える機械の実現には多様な価値観が必要なことから、女性の活躍が期待されています。これまで女性技術者は多くなかったものの、女性の学会発表を目にする機会が増えたことからも時代の着実な変化を実感し、多くの女性技術者が活躍する時代が来ると考えています。機械設計システム工学科は、女子学生の皆さんと共に学び研究し、専門家として輩出することを心より願っています。

電子物理工学科                  准教授 西岡 賢祐

宮崎の特徴を活かすクリーンエネルギー

 近年、環境問題への配慮や化石燃料の埋蔵量への不安から、エネルギー問題の解決が急務となっており、なかでも無尽蔵でクリーンなエネルギーである太陽光発電への期待が増しています。宮崎県は年間の日照時間が平均2200時間以上と長く、太陽光発電のための日照条件は国内でもトップクラスです。宮崎大学では、恵まれた日照条件を活用し、日本最大級の集光型太陽光発電システムに関する研究をおこなっています。集光型太陽光発電は、安価なレンズで光を集光し、小さな太陽電池に照射することで、高価な太陽電池の使用量を少なくすることができ、トータルコストを下げることができる最先端の発電技術です。また、太陽を追尾して太陽電池パネルを動かすことにより、常に垂直に太陽光を受けるようにし、効率的に発電することができます。宮崎の特徴を活かし、世界最先端のエネルギー技術を開発しています。自主性とコミュニケーションを重んじた教育に取り組んでいます。研究していく中で、何故こうなるのかと徹底的にディスカッションするトレーニングをしているので、コミュニケーションカも上がっていきます。また、発表では相手が何を求めるか、より面白く伝えるにはどうすればよいかなどを考え、プレゼンテーション力向上にも力を入れています。日本の未来を背負って立つ優秀な人材、技術者を育てたいと思っています。

情報システム工学科                 教授 岡崎 直宣

あらゆる分野で必要となるソフトウエア技術者を育てる

 さまざまな機械が私達の生活の中にはありますが、使いやすさや性能など、その特徴を出すにはソフトウエアがとても大事な時代となっています。本学にはソフトウエアや情報科学の教員が揃い、1年生からコンピューターを触る機会が多いのが魅力。演習科目を多く設けており、少人数に分かれ、グループごとに違う課題に挑戦するといった、きめ細かな指導を行っています。特に、どんなソフトウエアを作るかを自分達で考えて最後まで完成させ、プレゼンテーションまで行うという、企業での流れとほとんど同じことを体験します。就職活動をする際に具体的な話をすることができ、面接でもとても役に立ったと卒業生からも評判です。情報産業はこれからもますます需要が増えます。出産や子育てをする女性にとっても、仕事のコントロールがしやすい、魅力的な職種。すでに多くの女性が活躍していますが、もっと多くの皆さんに興味を持って欲しいと思っています。

工学基礎教育センター                助教 前田幸重

日常生活を彩る科学の世界を学ぶ

 私達の衣食住は、様々な科学現象と工学技術で満ち溢れています。自分が美しくあるため、家族が健康であるため、生活が快適であるためには、正しい科学知識を身に付け適した技術を利用する事が必要です。そこに性差はありません。工学教育基礎センターは、大学1・2年生向けの工学基礎科目及び教養科目の数学・物理・化学を担当しています。また、高校の数学や物理の習熟度に不安がある人のためのサポートとして、自主勉強会等を開催しています。理工系に興味はあるけど、高校の成績は数学・理科より英語・国語が得意だから・・・という人も心配無用です。(理工系でも、研究成果をレポートとしてまとめたり海外の最新情報を入手したりする時に国語・英語の能力は非常に大切ですので、得意であれば強みになります。)日常を彩る美しい数学・物理・化学の世界を一緒に学びましょう。