○国立大学法人宮崎大学における公的研究費の適正管理に関する規程

令和4年3月25日

制定

(目的)

第1条 この規程は、国立大学法人宮崎大学(以下「本学」という。)における公的研究費を適正に運営・管理するための基本方針として、必要な事項を定めるものとする。

(適用範囲)

第2条 公的研究費の運営・管理については、他の関係法令又はこれらに基づく特別の定めのある場合を除くほか、この規程によるものとする。

(定義)

第3条 この規程において「公的研究費」とは、学内予算で措置された研究費及び学外機関から受入れ又は本学に経理を委任された研究費をいう。

2 この規程において「研究者等」とは、前項の公的研究費を受けて研究を行う本学職員その他本学において公的研究費の運営・管理に関わるすべての者をいう。

3 この規程において「部局」とは、学部、医学部附属病院、工学教育研究部、研究科、学び・学生支援機構、研究・産学地域連携推進機構、国際連携センター、多言語多文化教育研究センター、先端研究推進本部の下に置く各センター、IRセンター、総合技術センター、安全衛生保健センター、情報基盤センター及び事務局をいう。

(最高管理責任者)

第4条 本学に、本学全体を統括し、公的研究費の運営・管理について最終責任を有する最高管理責任者を置き、学長をもって充てる。

2 最高管理責任者は、次に掲げる業務を行う。

(1) 不正防止対策の基本方針として本規程を策定・周知するとともに、それらを実施するために必要な措置を講じること。また、第5条及び第6条に定める統括管理責任者及びコンプライアンス推進責任者が責任を持って公的研究費の運営・管理が行えるよう、適切にリーダーシップを発揮すること。

(2) 不正防止対策の基本方針や具体的な不正防止対策の策定に当たって、役員会等において審議を主導し、その実施状況や効果等について役員等と議論を深めること。

(3) 様々な啓発活動を定期的に実施し、研究者等の意識の向上と浸透を図ること。

(統括管理責任者)

第5条 本学に、最高管理責任者を補佐し、公的研究費の運営・管理について本学全体を統括する実質的な責任及び権限を有する統括管理責任者を置き、研究・企画担当理事をもって充てる。

2 統括管理責任者は、不正防止対策の組織横断的な体制を統括する責任者として、基本方針に基づき、本学全体の具体的な対策を策定・実施し、実施状況を確認するとともに、実施状況を最高管理責任者に報告する。

(コンプライアンス推進責任者)

第6条 本学に、部局における公的研究費の運営・管理について実質的な責任及び権限を有するコ ンプライアンス推進責任者を置き、部局の長をもって充てる。

2 コンプライアンス推進責任者は、統括管理責任者の指示の下、次の各号に掲げる業務を行う。

(1) 自己の管理監督又は指導する部局における対策を実施し、実施状況を確認するとともに、実施状況を統括管理責任者に報告すること。

(2) 不正防止を図るため、部局内の研究者等に対し、コンプライアンス教育を実施し、受講状況を管理監督すること。

(3) 自己の管理監督又は指導する部局において、定期的に啓発活動を実施すること。また、部局の研究者等が、適切に公的研究費の管理・執行をしているか等をモニタリングし、必要に応じて改善を指導すること。

3 コンプライアンス推進責任者は、役割の実効性を確保する観点から、部局単位で責任の範囲を区分し、その責任の範囲や実施すべき事項を明確に規定した上で、学科、課程、専攻、部門等の組織レベルで複数のコンプライアンス推進副責任者を任命することができる。コンプライアンス推進副責任者は、コンプライアンス推進責任者の指示の下、業務を行う。

(管理監督の責任)

第7条 最高管理責任者、統括管理責任者及びコンプライアンス推進責任者(コンプライアンス推進副責任者を含む。)は、それぞれの職務においてその管理監督の責任を十分果たさず、結果的に不正を招いた場合には、その責任を負い処分の対象となることに留意する。

(監事)

第8条 監事は、次に掲げる役割を担う。

(1) 不正防止に関する内部統制の整備・運用状況について本学全体の観点から確認し、特に、統括管理責任者若しくはコンプライアンス推進責任者が実施するモニタリング又は内部監査によって明らかになった不正発生要因が不正防止計画に反映されているか、また、不正防止計画が適切に実施されているかを確認すること。

(2) 前号で確認した結果について、役員会等において定期的に報告し、意見を述べること。

(研究者等の意識の向上と浸透)

第9条 コンプライアンス推進責任者は、研究者等に、本学の不正防止対策に関する方針及びルール等に関するコンプライアンス教育を実施する。

2 コンプライアンス教育の実施に際しては、あらかじめ一定の期間を定めて定期的に受講させるとともに、対象者の受講状況及び理解度を把握し、また、これらの内容を遵守する義務があることを理解させ、意識の浸透を図るために、研究者等に対し、誓約書等の提出を求める。

3 コンプライアンス教育の内容は、研究者等の職務内容や権限・責任に応じた効果的で実効性のあるものを設定し、定期的に見直しを行う。

4 コンプライアンス推進責任者は、コンプライアンス教育の内容を踏まえて意識の向上と浸透を図ることを目的とし、研究者等に、不正根絶に向けた継続的な啓発活動を実施する。

5 最高管理責任者は、研究者等に対する行動規範を策定する。

(ルールの明確化・統一化)

第10条 最高管理責任者は、公的研究費に係る事務処理手続きに関するルール(以下「ルール」という。)について、明確に定め、統一的な運用を図るとともに、必要に応じて見直しを行う。

2 最高管理責任者は、ルールの全体像を体系化し、研究者等に周知を図り、また、公的研究費により謝金、旅費等の支給を受ける学生等に対してもルールの周知を徹底する。

(職務権限の明確化)

第11条 公的研究費の事務処理に関する権限及び責任については、業務の分担の実態と本学の職務分掌に関する規程の間に乖離が生じないよう、国立大学法人宮崎大学会計規則その他の学内規則等により適切な職務分掌を定め、また、各段階の研究者等の職務権限を明確化し、職務権限に応じた明確な決裁手続を定める。

(通報の取扱い、調査及び懲戒)

第12条 財務部財務課に、本学内外からの不正使用の疑いの指摘又は本人からの申出等(以下「通報」という。)を受け付けるための通報窓口を置く。受付管理者は、財務部財務課長とする。

2 通報窓口は、受け付けた通報に係る情報について、速やかに最高管理責任者及び第13条第1項に定める公的研究費不正防止計画推進室に報告する。会計検査・監査により不正使用の疑いを知り得た監査室及び財務部財務課においても同様の取扱いとする。

3 前項の規定により、不正に係る調査を行う場合の体制・手続等に関する事項は、別に定める。

4 調査の結果不正使用と認定した場合、最高管理責任者は、不正を行った者及びその管理監督に適性を欠いた者に対して国立大学法人宮崎大学職員懲戒等規程により懲戒処分等を行う。懲戒処分等の適用については、不正の背景、動機等を総合的に判断し、悪質性に応じてなされるよう慎重に取り扱う。

5 前項の不正使用について、私的流用等行為の悪質性が高い場合には、刑事告発や民事訴訟を行うことがある。

(不正発生要因の把握と不正防止計画の策定・実施)

第13条 本学に、不正防止計画を推進するため、公的研究費不正防止計画推進室(以下「推進室」という。)を置く。

2 推進室の組織・運営について必要な事項は、別に定める。

3 推進室は、統括管理責任者とともに、不正使用を発生させる要因に対応する本学全体の具体的な対策の最上位のものとして、不正防止計画(コンプライアンス教育・啓発活動等の計画を含む。以下同じ。)を策定・実施し、実施状況を確認する。

4 推進室は、監事との連携を強化し、必要な情報提供等を行うとともに、不正防止計画の策定・実施・見直しの状況について意見交換を行う。

5 推進室は、監査室と連携し、不正発生要因について本学全体の状況を把握し、体系的に整理し評価する。

6 不正防止計画の策定に当たっては、前項で把握した不正発生要因に対応する対策を反映させ、実効性のある内容にするとともに、不正発生要因に応じて随時見直しを行い、効率化・適正化を図る。

7 部局は、不正根絶のために、推進室と協力しつつ、主体的に不正防止計画を実施する。

(公的研究費の適正な運営・管理)

第14条 コンプライアンス推進責任者は、随時、予算の執行状況について検証し、実態と合ったものになっているか確認する。予算執行が当初計画に比較して著しく遅れている場合は、その理由を確認し、研究計画の遂行に問題があれば改善策を講じる。

2 発注者は、あらかじめ発注段階で支出財源の特定を行い、予算執行部局及び契約担当部局は予算執行の状況を遅滞なく把握する。

3 統括管理責任者及びコンプライアンス推進責任者は、予算の適正管理のため、次に掲げる関係事項についてそれぞれ必要な措置を講ずる。

(1) 不正な取引は研究者と業者の関係が緊密な状況で発生しがちであることに鑑み、癒着を防止する対策を講じる。

(2) 発注・検収業務については、原則として事務部門が実施することとし、当事者以外によるチェックが有効に機能するシステムを構築・運営する。当事者以外によるチェックが困難である場合であって、一部の物品等について検収業務を省略する例外的な取扱いとする場合は、件数、リスク等を考慮し、抽出方法・割合等を適正に定め、定期的に抽出による事後確認を実施する。

(3) 非常勤雇用者の勤務状況確認等の雇用管理については、事務部門が実施する。

(4) 換金性の高い物品について、適切に管理する。

(5) 研究者の出張計画の執行状況等を部局の事務部門で把握できる体制を整備する。

(6) 不正防止計画で定める公的研究費に関する誓約書を提出しない研究者等を、公的研究費の運営・管理に関わらせない。

4 不正な取引に関与した業者への取引停止等の処分については、別に定める。

(情報発信・共有化)

第15条 本学に、効率的な研究の遂行を適切に支援するため、事務処理手続き及び資金の使用等、公的研究費の使用に関するルール等について、本学内外からの相談を受け付ける窓口(以下「相談窓口」という。)を置く。

2 相談窓口については、別に定める。

3 最高管理責任者は、公的研究費の不正への取組に関する本学の方針等を外部に公表する。

(モニタリング)

第16条 最高管理責任者は、監査室を最高管理責任者の直轄的な組織として位置付けるとともに、本学全体の視点からモニタリング及び監査制度を整備する。

2 監査室は、国立大学法人宮崎大学内部監査規程に基づき、毎年度定期的に内部監査を実施する。

3 内部監査の実施に当たっては、次に掲げる事項に留意する。

(1) 会計書類の形式的要件が具備されているかなど財務情報に対するチェック

(2) 公的研究費の管理体制の不備の検証

(3) 推進室との連携によるリスク要因の分析と、それに対するリスクアプローチ監査の実施

(4) 監査計画の見直しによる効率化・適正化や、専門的知識を有する者(公認会計士又は他機関での監査業務経験のある者等)の活用による質の向上

(5) 監事及び会計監査人への情報提供

(6) 不正防止に関する内部統制の整備・運用状況並びにモニタリング及び内部監査の手法並びに競争的研究費等の運営・管理の在り方等について、監事及び会計監査人との定期的な意見交換の実施

(事務)

第17条 この規程に関する事務は、財務部財務課が処理する。

(雑則)

第18条 公的研究費以外の経費にかかる不正使用については、この規程を準用する。

2 この規程に定めるもののほか、公的研究費の適正管理に関し必要な事項は、別に定める。

1 この規程は、令和4年4月1日から施行する。

この規程は、令和4年10月1日から施行する。

この規程は、令和5年7月1日から施行する。

この規程は、令和6年4月1日から施行する。

この規程は、令和6年7月1日から施行する。

この規程は、令和7年4月1日から施行する。

国立大学法人宮崎大学における公的研究費の適正管理に関する規程

令和4年3月25日 制定

(令和7年4月1日施行)