ビジネスで障がい者教育に革命を!パラアスリート木下大輔の挑戦

  • 木下 大輔
  • 出場時の所属:宮崎大学工学部環境ロボティクス学科4年
  • H29年度開催:第1回みやだいビジコン出場
ビジネスで障がい者教育に革命を!パラアスリート木下大輔の挑戦

学生団体「TOBE(トゥービー)」の代表で、車椅子陸上選手のトップアスリートでもある木下大輔さん。第1回みやざきビジコンで、障がい者の航空機利用にかかる手続を簡略化するサービスを提案し、社会性や事業性が高く評価されグランプリを受賞しました。

その後勝ち進んだ九州・大学発ベンチャー・ビジネスプランコンテストでグランプリ受賞、全国大会となるキャンパスベンチャーグランプリ全国大会では文部科学大臣賞を受賞するなど、輝かしい快進撃を見せました。「障害×ビジネス」で課題解決に挑む木下さんにお話を伺いました。

海外の現役アスリートの姿に衝撃を受ける

学生団体「TOBE」は、みやだいビジコンをきっかけに結成されたチーム。その1年前にオーストラリアにスポーツ留学していた木下さんは、海外の現役アスリートが競技の合間にビジネスに手を広げ、社会への影響やセカンドキャリアを考えながら活動している姿に衝撃を受けました。

帰国後、自分ももっとビジネスを学びたいと考えた木下さん。賛同してくれた仲間と「TOBE」を結成し、ビジコンへの参加を決意しました。「アイデアを何個も出して、潰しては出してを何度も繰り返しました。書類審査の期限も迫った頃に東京に行く用事があって、飛行機に乗る手続きが面倒だったという実体験があり、これをビジネスにしようと思い立ちました。」

ビジコンを通じて仲間との絆が深まった

こうして始まったビジコンへの挑戦。参加するなかで、木下さんはチームとの信頼や絆を深めていきました。

「まず、紙ベースで考えるのと実際に行うのはギャップがあってすごくハードルがあるなと感じました。でもその分人との縁が広がり、価値観が広がりました。また、チームは後輩が多かったので、マネジメントの点でも勉強になりました。メンバーとの意思疎通や言語化能力は力がついたと思いますし、違う考えの人を受け入れる度量も増えました。」

当時のビジコンは初めての開催ということもあり、まだ珍しい存在でした。はじめは孤独もあったという木下さんですが、注目されながらどんどん勝ち進んでいく快進撃は、多くの人を魅了しました。

ビジネスの世界には障がい者も何も関係ない

現在は、障がい者の教育事業に主軸をおいている木下さん。就労移行支援事業所の施設長をしながら、入所者の方の就職サポートなどを行っています。

「まず僕の大きな目標としては、障がい者の教育を変えたいです。ビジコンに出場して感じたのは、『ビジネスの世界には障がい者も何も関係ない』ということ。今はコロナ禍でzoomやオンラインが主流となり、ますます障がい者の活躍の場が広がっていくと思います。

でも、そこにで活躍できるような教育を受けている人材が少ないのが日本の現実です。その環境を変えるためには、根本的な教育を改革しないといけないと思うので、コツコツとやれることをやっていきたいです。」

ビジコンでもらったチャンスが枝葉となり新たなチャンスが生まれる

「ビジコンに出場してよかったと心から感じています。ビジコンでチャンスをもらって、そこから今日まで新しいチャンスが枝葉のように次々と生まれてきています。以前から障がい者の教育を変えたいと感じている部分があって、ビジコンを通じて伝える場をもらい、様々な方にアドバイスをいただき、さらに活躍できる場までいただけてとてもありがたいです。

今は宮大自体に挑戦者が増えてるなと感じます。宮大ビジコンからどんどん輪が広がっているので、今の挑戦者は孤独もないのかなって。その流れが第1回からつながっているなら嬉しいです。」

競技では「まず自分が活躍して結果出したうえで、下の世代を育てて引っ張り上げることが目標」と語ってくれた木下さん。ビジネスも競技も、今後の活躍が楽しみです!