大学院の紹介

教育方針

地域資源創成学研究科では、以下の方針の下で、学生の受け入れ(アドミッションポリシー)、教育(カリキュラムポリシー)、学位授与(ディプロマポリシー)を実施しています。

アドミッションポリシー

1.教育理念(教育理念・目標、育成する人材像)
 地域学、地域資源論、地域資源利活用論の3つの領域で構成される教育研究を通じ、地域に賦存する多様な地域資源の利活用から新しい創造的価値の創出を行い、今後の社会経済環境の変化に対応可能な強靭で持続可能な地域社会の形成を推進・実現することが可能な高度な専門性を確保した人材養成を目指す。

2.入学者受け入れ方針(求める人材像)
 本研究科では、学部教育の専門性・実務性をさらに深化させ、専門性の高い分野で高度で先端的な地域資源創成に係る大学院教育を行うこととする。また、企業・産業・地方公共団体・地域社会等が有する地域課題・実務的課題の具体的解決に資する大学院教育を行うこととする。
 したがって、本研究科では以下のような人材を積極的に受け入れることとする。
(1) 社会的・地域的課題を解決するためのイノベーションの創発に関する学士相当の専門的・実務的な知識・能力を有し、かつ意欲を有している人
(2) 企業・産業・地方公共団体等のマネジメントを改善・改革するための学士相当の専門的・実務的な知識・能力を有し、かつ意欲を有している人
(3) 異分野を融合させて新たな地域価値、資源価値創出のための学士相当の専門的・実務的な知識・能力を有し、かつ意欲を有している人

3.入学者選抜の基本方針
 上記の「求める人材像」で示す能力を有する人を多面的・総合的に評価するために、以下のような基本方針にもとづいて入学者を選抜します。
(1) 一般、社会人、外国人といった選抜区分に応じた試験を実施します。
(2) すべての選抜区分において、出願書類審査及び面接試験を実施します。
(3) 客観的で透明性のある方法によって、公平に選抜します。

〔選抜区分による選抜方法及び評価の観点〕
① 一般選抜
 入学者の選抜は、専門試験(筆記試験)、面接試験及び書類審査の結果を総合的に判断して行います。
専門試験(筆記試験)では、主として本研究科の教育課程を学修する能力、計画した研究を遂行する能力を評価します。
面接試験では、主体性、コミュニケーション能力、課題解決力、学習意欲、研究意欲を評価します。
書類審査では、知識・能力、主体性、課題解決力、学習意欲、研究意欲を評価します。
② 社会人選抜
 入学者の選抜は、専門試験(口述試験)、面接試験及び書類審査の結果を総合的に判断して行います。
専門試験(口述試験)では、主として本研究科の教育課程を学修する能力、計画した研究を遂行する能力、社会人としての専門知識・技能を評価します。
面接試験では、主体性、コミュニケーション能力、課題解決力、学習意欲、研究意欲を評価します。
書類審査では、知識・能力、主体性、課題解決力、学習意欲、研究意欲を評価します。
③ 外国人留学生入試
入学者の選抜は、小論文、面接試験及び書類審査の結果を総合的に判断して行います。
小論文では、主として本研究科の教育課程を学修する能力、計画した研究を遂行する能力を評価します。
面接試験では、主体性、コミュニケーション能力、課題解決力、学習意欲、研究意欲を評価します。
書類審査では、知識・能力、主体性、課題解決力、学習意欲、研究意欲を評価します。

カリキュラムポリシー

 地域資源創成学研究科では、「修得を目指す専門性」や「養成する人材像」を達成するため、以下の方針に基づいてカリキュラムを編成し、教育を実施する。

(1)教育課程の編成
〇多様な地域や地域課題を理解し、地域資源を高度利活用するための専門的知識・理論・方法等を学修するため、専門科目として①地域学科目、②地域資源論科目群、③地域資源利活用論科目群を設置する。
〇PBL 等の実践的ソリューションを研究する実践研究及び学生の個別研究を教育的に進展させる特別研究(研究指導等)を重層的に年次進行させていく。
〇実践研究・特別研究の十分な成果を得るため、教育研究モジュールの形成を通じて専門科目を有機的に組み合わせて履修させ、教育の質保証及び教育的効果の向上を図る。

(2)教育内容・方法
〇各授業科目について、シラバスで到達目標、授業計画、成績評価基準・方法、事前・事後の学習の指示,ディプロマ・ポリシーとの関連を明確にし、周知する。
〇主体的に考える力を育成するために、アクティブ・ラーニング(双方向型授業、グループワーク、発表など)、演習・実践を積極的に取り入れた授業形態、指導方法を行う。
〇実践研究、特別研究は学生の状況を鑑みながら研究の指導・支援を行い、異分野融合の視点からの履修が可能となるよう、複数の研究領域の主指導教員、副指導教員で構成する履修指導グループにより教育研究モジュールの形成等を通じて指導を行う。

(3)学修成果の評価
〇学修目標の達成水準を明らかにするために、成績評価基準・方法を策定・公表する。
〇個々の授業科目においては、成績評価基準・方法に基づき、定量的又は定性的な根拠により厳格な評価を行う。
〇学修成果を把握するために、教育活動、学修履歴、及び学生の成長実感・満足度に係わる情報を適切に収集・分析する。
〇ディプロマ・ポリシーに基づく学生の学修過程を重視し、在学中の学修成果の全体を評価する。
〇GPA 制度を導入し、客観的で透明性の高い成績評価を行う。
〇学生が学修目標の達成状況をエビデンスを持って説明できるよう学修成果の可視化を行う。

(4)「教育研究モジュール」の形成
「地域資源創成学」の多様性・専門性を確保した教育課程を活かし、学生の個別研究テーマ・計画にきめ細かく対応するため、実践研究、特別研究を中心に、地域学、地域資源論、地域資源利活用論の3つの領域の中の専門科目を有機的に組み合わせた「教育研究モジュール」の形成を通じた指導を行う。「教育研究モジュール」の形成にあたっては、主指導教員は学生に対して標準的な履修モデル(30 単位取得)を提示した上で、入学試験時に提出した研究計画書、志願理由書等を基に個別指導を行い、本研究科のディプロマ・ポリシー並びに研究テーマの達成に向けた計画的な履修科目の修得になるよう配慮する。

ディプロマポリシー

 地域資源創成学研究科は、宮崎大学学務規則に規定する修業年限以上在学し、所定の単位数を修得し、以下の素養を身につけ、かつ必要な研究指導を受けた上、論文審査及び最終試験に合格した学生に修士(地域資源創成学)の学位を与えます。

(1)異分野融合・複合の研究開発を推進できる修士相当の高度な学際的専門性
 本研究科では、本学の異分野融合・複合に向けた取組成果をより一層進展させ、学内の学部・研究科間の連携強化を図りながら、自然科学、人文科学、社会科学の各系統から「地域資源創成学」の学域化の取組の一層の拡充を図る。そして「地域資源創成学」の学域の教育研究プログラムを通じ、地域資源創成に係る高度な学際的専門性を修得することを目指す。

(2)優れたソリューションを創発できる修士相当の高度な実務的専門性
 本研究科では、学生が地域資源創成学を基盤とし、学術成果を優れたソリューションとして社会に定着・普及することができる高度な実務的専門性を修得することを目指す。

(3)第一線社会の技術・経験を体系化・理論化できる修士相当の高度な学術的専門性
 本研究科では、地域課題に向き合う企業、地域社会、行政等との接続性をいかし、本県をはじめ全国の"課題解決"先進地域が有する技術・経験等の高度な専門実務の利活用に係る学術的な体系化・理論化に係る調査研究をより一層推進する。そして、それらの成果を生かした教育研究プログラムを通じ、学生が地域資源創成に係る第一線社会の技術・経験に関する学術的な体系・理論についての高度な学術的専門性を修得することを目指す。

大学院地域資源創成学研究科の修士論文審査基準について

 地域資源創成学研究科で培った能力や知識を統合して研究をおこない、その内容について学位論文を執筆する。学位論文の審査基準は以下の5点である。

1 地域または地域資源に関する研究であること
2 新規性のある学術的情報を含むこと
3 多角的な視点による課題設定や考察がなされていること
4 個別の事例研究を超えた汎用性のある論が展開されていること
5 十分なデータまたは論拠にもとづく明快な論旨があること

 また、学生は学位論文ではなく、地域資源創成学研究科で培った能力や知識を統合させた実践を通じて特定の課題研究を実施し、実践活動の成果をリサーチペーパーとして執筆することも可能である。リサーチペーパーの審査基準は以下の5点である。

1 地域または地域資源に関する課題であること
2 新規性のある実用的情報を含むこと
3 多角的な視点による課題設定や考察がなされていること
4 個別の特定課題研究にもとづいた,汎用性のある論が展開されていること
5 十分なデータまたは論拠にもとづく明快な論旨があること