国際交流

ヨーロッパの大学との交流・研修

宮崎大学農学部は、本学科の教員が窓口となり、チェコのメンデル大学林業木材学部と学術交流協定を結んでいます。毎年、学生の希望者は、ドイツのロッテンブルク林業大学で行われる研修に参加すると共に、メンデル大学の演習林や学内施設の見学を行っています。日本とは全く違う林業のあり方や理念、専門教育にふれることができる大変有意義な機会になると学生からはとても好評です。

ドイツのロッテンブルク林業大学で行われる研修の様子
メンデル大学の演習林の見学を行っている様子
メンデル大学の演習林の見学を行っている様子

森林伐採や森林劣化によるCO2排出を減らすための取り組み

熱帯地域における森林伐採や森林の劣化に伴うCO2の排出は、気候変動を考える上で、重要な問題です。今、世界では、REDD+(レッドプラス)という枠組みの中で、開発途上国における森林経営の支援が行われています。熱帯地域で現在急速に拡大しているゴムやオイルパームなどの単一樹種による人工林は、CO2の吸収に貢献しますが、地域の生活・文化や生物多様性を破壊する可能性があります。そこで、CO2の発生抑制、その地域に住む住民の収入向上、伝統的な文化の維持、および生物多様性のバランスを考えた森林管理手法を確立すべく研究を行っています。

森林の写真

世界の水問題解決に向けたJAXAとの共同研究

「水」は、森林や農地、地球環境や人間生活を考える上で、キーファクターの1つです。森林緑地環境科学科では、JAXA(宇宙航空研究開発機構)との共同で、GCOM-C衛星(しきさい)のデータを使って世界中の水資源をモニタリングする手法の開発を行っています。

水資源をモニタリングする手法の画像

宗像君(海外に留学中)からのメッセージ

いきなりですが、みなさんは「留学」と聞いて何を思い浮かべますか?

「海外楽しそう」、「海外の友達がたくさん出来る」、「治安が悪い」、「多額の費用がかかる」など、様々なイメージがあると思います。あるいは、留学生=「意識高い系の学生」みたいなイメージを持っている人もいるかもしれません(笑)。

私は現在、アメリカ・ウィスコンシン州にあるウィスコンシン大学マディソン校のGreat Lakes Bioenergy Research Centerという研究所で留学をしています。ウィスコンシン州ってどこだ???と思う人が大半だと思います。簡単に言うとチーズの生産高が全米1位で、あとはとにかく冬が寒い!といったような場所です。また、現地の人の温かさや、ちょっと田舎で自然が多いところは宮崎と似ていると感じました(本当に気候は真逆です!(笑))。まだまだウィスコンシン州の魅力を話したいのですが、本題とは逸れそうなので留学に至った経緯を紹介します。(以下、真面目そうなこと書いてますけど、私はそんな真面目じゃなくなんとかなるさ精神で生きてますので気軽に読んでいただけると嬉しいです!)。

私は、現在学部4年で1年間休学しています。もともと入学当初から、なんの目的もなくただ海外って楽しそうだな〜という軽い気持ちで、留学できたら面白いかもしれないとは少しだけ思っていましたが、目的も無かったし留学資金もあるはずがないので真剣に考えることはほとんどありませんでした。しかし、ふと3年生の秋頃に留学をしたいと改めて考えるようになりました。森林緑地環境科学科では、3年生から研究に熱心に取り組める環境が整っており、私はタケの成長段階におけるヘミセルロースとリグニンの関係性について、主に顕微鏡を用いた実験をしていました。しかし、顕微鏡だけでは限られた事しか明らかにすることが出来ません。そこで、研究室の先生と自分自身の思い(留学+研究)についてお話しさせて頂き、最終的にトビタテ留学JAPANという奨学支援金プログラムを用いて留学することが出来ました。ちなみに現在行っているアメリカでの主な研究内容は、タケの成長段階における様々な成分(リグニン、フェルラ酸、フラボノイド類など)の構造の推移や結合の変化、また各成分の定量です。この留学を通して、成長が著しく速く他の草本植物よりも木に似ている材質を持つタケの成長段階における成分や構造の推移を明らかにすることが出来れば、タケ特有の成長の秘密が解明され、将来の効率的なタケバイオマス利用につながるきっかけになるかもしれないと考えています。

次に、留学に対する私の思いを話します。留学は全てが楽しいものではありません。むしろ大変なことの方が多いです。比較的私は、新しい環境に適応するのが早かったのですが、人によっては慣れるのにとても時間のかかる人もいると思います。だから、私は全ての人が留学をすべきとはとても言い切れません。しかし、少しでも留学したいと思っている人は、その気持ちを大切にしてどんなことでもいいので一生懸命頑張ってみてください。何かしら留学のきっかけや目的が見つかると思います。また、英語ができないから諦めようなんてことは、全く考える必要はありません(少なくとも私は英語がとても苦手です...)。それよりも、留学している人を見ると、留学の目的が明確で熱意があることが重要です。私自身も、実験などをやっていくうちにその辺りが少しずつ明確になり、しっかりと目的を持って留学することが出来ています。私にとって、マディソンでの生活は日々新しいことの発見ばかりでとても楽しいですし、日本では気づかなかった事もこちらに来て気付くこともたくさんあります。私は、様々な面において学部4年のタイミングで留学を経験できて本当に良かったと感じています。

最後に、色々なことにチャレンジする時間が取れるのは学生の特権だと私は思います。また宮崎大学では、分野にもよるかもしれませんが、世界トップクラスの大学に留学できるチャンスがあります。なので、色んなことに興味を持って取り組んでみてください。私は留学に興味があったり、迷ったりしている人を全力で応援しています!私自身も、多くの方のおかげで留学ができていることに感謝しながら、今後の日本や世界の発展に貢献できる人になれるように日々頑張っていきます!

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