延岡フィールド概要を掲示しました
学内外からの来客時に当施設の概要説明資料として用いているパネル画像を掲示しました(宮崎大学農業博物館に常設展示しているもの。pdf形式)。




沿革と概要
延岡フィールドは、昭和42年8月に当時の水産庁南西海区水産研究所延岡支所を宮崎大学に所管換えし、農学部附属水産実験所として開設されたことに始まる。昭和48年にはキャンパスから約100キロ離れた現在地(延岡市赤水)に新築移転し、現在は農学部附属フ次世代農学教育研究センターに属する4つの附帯施設(農場、牧場、演習林、水産実験所)のひとつとして、また、東九州沿岸で唯一の大学発臨海施設として、日向灘沿岸の豊かな海洋生物や水産資源を題材に教育・研究、地域貢献活動を展開しています。
教育研究棟は平成25年に耐震改修工事により1階部分がリニューアル改修されました。1階にはセミナー室や学生実験室、教員や学生の居室、室内飼育室、教員宿泊個室等が整備され、2階には学生宿泊室(和室3、洋室10、40名宿泊可能)や食堂兼多目的ラウンジ等が備わっています。また、海洋生物を維持可能な飼育実験棟、実習船ゾステラ丸(1.3トン、定員11名)を保有しています。現在、2名の教員に加え、技術職員各1名の体制で日々の活動を進めています。
教育活動
現在、延岡フィールドでは、農学部農学科海洋生命科学コース内のカリキュラムを中心に、海洋生物の分類学や生態学、発生学に主眼を置いた臨海実習を開講しています。"実物を見ることに勝るものなし"を大切な言葉とし、数日から1週間単位の実習を開講し、海の生物をじっくり学ぶ機会を設けています。例えば、ムラサキウニの人工授精と発生観察、磯での海洋生物の採集やシュノーケリング観察、港での夜間の灯火採集、実習船による海洋観測や海洋プランクトン採集、干潟や潮間帯における生態調査などを行い、キャンパス内の講義で学んだ知識を、実物を通じて学ぶことのできる現場として機能しています。また、魚類生態学や生理学、水産科学とリンクした卒業論文研究の場として、農学部生や大学院生を常時受け入れているほか、放送大学や県立看護大学といった他大学向けの実習や、県内の高校生や小中学生向けの臨海実習を開講し、"海洋生物の多様性、水産資源の重要性"を理解するための学びの場を提供しています。これらの活動を通じ、年間のべ約1000名以上の学生が、施設を利用し、活動しています。
研究活動
これまで、宮崎県沿岸で盛んな養殖業に対応した研究(魚類栄養学や魚病学、増養殖学)や、沿岸性魚類の生理生態学に関する研究が行われてきました。最近では、県産の内水面養殖ヤマメを延岡市沿岸で冬期に海面養殖する体制を産学官連携により実現し、内水面での種苗の成長・銀化特性、海面養殖個体の海水適応・成長特性、内水面での親魚育成時における成熟特性を、生理学的なアプローチにより示しています。2019年には、"山と海を繋ぐ循環型サクラマス養殖事業"を手がける宮崎大学発の学生ベンチャー企業も設立され、生産性向上を見据えた学術研究支援を継続しています。一方、宮崎県沿岸域における魚類相や生態調査に関する研究も進めています。例えば、宮崎県水産試験場と連携し、延岡市沿岸での海面稚アユの資源量調査や、宮崎県門川町と連携し、門川湾沿岸に生息する魚類相調査とその書籍化(『宮崎県のさかなのまち 門川の魚図鑑』)などの活動が挙げられます。魚図鑑は地域内での海洋教育の題材としての活用だけでなく、町のふるさと納税の返礼品にも選定されています。
地域貢献
毎夏、関連学科の学生が延岡フィールドに1週間宿泊し、臨海実習で学んだ知識を活かし、実習生が思い思いに海洋生物を水槽展示し、一般市民向けに情報発信する「延岡フィールド水族館」を開館しています。この水族館は、地域住民に愛されるアットホームなミニ水族館として認知され、毎年2日間の展示期間中に500人以上の地域住民が来館し、子供から大人まで楽しめる展示企画となっています。また、海の生物をテーマにした公開講座"海を知る"、親子参加型の臨海実習"海の学校"、お魚の調理法を学ぶ公開講座"魚をさばく"、海洋環境を考える企画"クサフグの産卵観察会"等は定番化され、毎年多くの地域住民が参加する人気の講座となっており、日向灘沿岸の多様な生物とそれを取り巻く環境や水産研究について学べる企画となっています。
