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【SATREPSレポート7】SATREPSワークショップの開催

SATREPSワークショップの開催

2023年5月19日にSATREPSの人材育成プロジェクトの一環として、NIAHにおいて、タイ側カウンターパートを含むDLDの若手研究者を対象に、ポータブル式遺伝子増幅装置を用いた感染症の簡易迅速診断法について、実践形式のワークショップを開催しました。
宮崎大学の山田健太郎先生が講師を務めました。
DLDから21名が参加し、実際の豚の蹄皮膚組織に人工合成した口蹄疫ウイルスのRNA遺伝子をスパイクした後、そこからウイルス遺伝子を抽出し、ポータブル式遺伝子増幅装置を用いてFMDを診断する方法を体験しました。
参加者は、診断手技を習得しよう真剣に取り組んでいました。
各班2~3回ほど実施してもらいましたが、成功したのは1班だけで、しかも1回のみでした。
興味を持って和気藹々の中で取り組んでくれたようですが、反応液をチップに入れる際に空気が入って反応がうまく進行しなかったり、試薬の入れ忘れがあったりと、本検査を習得するには継続したトレーニングが必要だと感じました。
一方、装置の他の使い方についての質問等を受け、装置そのものに興味を強く持っていただけたようです。
今後は、技術の習得に努め、感染症が発生している現場で簡易迅速診断を行い、防疫の初動対応に活かしてほしいと期待しています。
このワークショップに先立ち、SATREPSプロジェクトにおいてタイ側カウンターパートであるRRL-FMDの研究者と共同研究を行い、ポータブル式遺伝子増幅装置を用いて口蹄疫の簡易迅速診断を可能とする検出条件を確立しました。
その研究成果は、国際誌(Journal of Virological Methods)に掲載されています。

午後からは、次世代シークエンサーの基礎と応用について、北海道大学の山岸潤也先生および中尾 亮先生を講師としてお招きし、対面とウェブのハイブリッドで開催しました。
80名の参加者があり、受講者の中にはカセサート大学獣医学部の学生も含まれていました。
また、ウェブを通じて、日本から参加していただいた方もいました。

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【5月19日(金)ワークショップ(NIAH)】

◆ハンズオントレーニング(ポータブル式リアルタイムPCRを用いた口蹄疫診断)◆
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山田先生(宮崎大学)

 
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ハンズオントレーニングの様子

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◆講義(次世代シークエンサーの基礎と応用)◆
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山岸先生(北海道大学)

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中尾先生(北海道大学)

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受講風景中尾先生

文責(三澤尚明)


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