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先日、さんた論法というのを紹介しました。

https://web-oth.cc.miyazaki-u.ac.jp/tsunomaru/cms2025/kenkounikki/sanaronpou/

そのなかでかぜと抗菌薬の話を書きましたが、『なぜ90%効かない抗菌薬が使われるのですか?』というご質問を、けんこう日記応援箱にいただきました。

「細菌によるかぜの可能性が少しでもあるから」、「ウイルス性のかぜから、細菌感染による肺炎など重い病気になるのを予防したい」という理由が大きいように思います。

かぜ自体はほとんどがウイルスによるもので、抗菌薬が必要になる場面はわずかです。

かぜのウイルスにより気管支粘膜などがダメージを受けると、細菌が肺の中に侵入して肺炎になる場合があります。呼吸器の病気など持病のない一般成人は、よほど体力が低下していないと肺炎になることはほとんどなく抗菌薬の予防効果は見込めず、副作用(下痢や発疹、アレルギー反応)の方が問題になったりします。

この文章を書いた人
桐ケ谷 大淳(きりがや だいじゅん )

大阪府出身。2001年、滋賀医科大学卒業。社団法人地域医療振興協会にて地域志向型研修を受け、へき地の診療所で所長を務める。2012年に子育て環境を考えて、妻の実家のある宮崎県へ異動。地域の病院での在宅医療部門の立ち上げや、大学での教育に携わり、2020年4月から都農町にて勤務。ワーク・ライフ・バランスを良くしていくことが、ここ数年の課題。最近の趣味は、子どもたちとサッカーをしたり公園で遊ぶことです。

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