資源環境科学専攻では、資源の枯渇、自然及び生活環境の悪化、食料危機などの人類が直面しつつある課題に取り組むために、資源の有効利用と資源循環による環境負荷の低減を基調とした、安全で活力ある循環型社会の構築に貢献できる高度専門技術者・研究者の養成を目的としている。そのため、本専攻では、都市、農耕地、森林を一体化した循環系及び共生系として捉え、省資源、資源の再利用と再生利用による健全な資源循環・環境共生型の農・工業生産体系や安全で豊かな生活における低環境負荷型システムに関する教育研究を深化させる。
また、動植物資源の利活用と動植物機能の開発向上、動植物生産過程における生態系の動態解明、及び生産環境整備と機械化・装置化などを通じて、安心・安全で持続型の生物生産システムの開発に関する教育研究を行う。
特に本専攻では、温暖地域特有の豊かなバイオマス資源の利活用技術論とその循環、森林・農耕地、都市空間を通じての資源循環とその制御技術、快適な都市空間の創出や農山村及び都市部における防災機能の強化と生態的・化学工学的環境修復技術の開発などに対応するため、農学と工学が連携・融合して総合的な教育研究を行い、地域の要請に応えるとともに、地球規模での課題解決に貢献できる人材養成を目指す。
博士(農学)、博士(工学)、博士(学術)
本教育コースでは、農林畜産業から生み出されるバイオマス資源を活用したエネルギー問題の解決と資源循環型地域社会の創出、森林を中心とした豊かな自然と豊富な生物資源の利活用によるCO2濃度上昇抑制、水源涵養、環境修復技術、防災機能の強化、快適な地域都市空間の創出などの環境問題に対応するために、農学と工学が連携・融合した学際・総合的な教育研究を行う。また、持続型社会の構築を目指して、自然や生態系と調和・共生するために必要な理論や技術・方法論などを教授する。
本教育コースでは、生物資源の有効利用、開発と適正管理による持続型生産科学技術に関する教育研究を行う。そのため植物生産科学、動物生産科学及び農業環境工学分野が連携し、総合的な農学教育研究を通して、持続生産に係わる動植物生産の解析・制御、動植物資源の利活用、動植物機能の開発・向上、病害虫の制御、動植物の生理機能の解析、動植物生産過程での生態系の動態解明、及び農業生産の環境整備と機械化・装置化を通じて、持続型生産システムの開発に対応できる教育研究を行う。
生物機能応用科学専攻は、本地域及び国際社会が抱える食料・エネルギー・環境問題の課題に取り組むために、動植物、微生物及び水産生物資源が有する諸機能の解明と、それに基づいた知見を応用することにより、地域社会のニーズや国際的諸課題の解決に貢献できる高度専門技術者・研究者の養成を目的としている。そのために、微生物が有する潜在機能を解明し、環境汚染物質の分解や地域バイオマス資源の有用物質への変換に関する教育研究を行う。
また、動植物や食品が有する機能性評価システムの構築や、機能性物質検索システムの開発に関する教育研究を行う。
さらに、水域生物の高度有用活用のために、機能性水産食品の開発や高機能性物質の探索、温暖な気候を反映した特徴的な水域生態系の保全と適正な資源管理、並びに水域環境の保全と水産生物の効率的生産を両立させる先端的高度水産増養殖技術について教育研究を行う。
特に本専攻では、微生物学、酵素工学、培養工学による地域バイオマス資源の機能解明とその利用技術の開発、動植物及び微生物を利用した環境保全技術開発・遺伝子解析と生体情報工学との連携による食生活の改善、新規健康食品及び医薬品の開発などに関して、農学と工学が連携・融合して総合的な教育研究を行い、地域社会のニーズや国際的諸課題に対応できる人材養成を目指す。
博士(農学)、博士(工学)、博士(学術)
本教育コースでは、動植物や微生物の持つ生命機能を活用して食と健康・生物資源・環境を包括的に捉え、生化学・遺伝子工学・生物工学・食品機能科学などについての教育研究を行う。微生物が有する潜在機能を開発し、環境汚染物質の分解や地域バイオマス資源の有用物質への変換について分子レベルから培養工学の分野まで、農学と工学が連携して教育する。また、地域の食品が持つ機能性評価システムの構築や、機能性物質の検索システムの開発に関する教育を行い、これら食品中の機能性物質に対する生体調節機構や解毒代謝を細胞レベルでの解明に関する教育へと発展させた教育を行う。
本教育コースでは、水生生物を利用した有効物質の探索、食品の開発、有効微生物の探索と応用、水産資源の管理に関わる、水域生物の生態系及び遺伝学的解析、水産増養殖に関しての教育研究を行う。この分野では、人間社会と水域環境との関わりから生ずる環境問題、資源管理、生態系の保全、食料問題を水産科学的に捉える必要があり、水域生物に関わる課題に対応できる教育研究を行う。
物質・情報工学専攻は、環境調和・循環型及び高度情報化社会の課題に取り組むために、環境調和型新材料の構築、エネルギーの変換・解析、省エネルギー化・高度情報化された生産技術の開発、高度なアルゴリズムとソフトウェアを活用した情報処理技術及び数理モデルの構築に貢献できる高度専門技術者・研究者の養成を目的としている。そのため、ナノオーダーで制御された機能性材料の創生等及び自然共生型エネルギーの高効率変換システムの開発、エネルギー計測及び解析に関する教育研究を行う。 また、生産工学等に基づいた計測・制御システムの開発、環境負荷低減型の設計・生産技術、情報ネットワーク技術等に基づいた生産情報の知的管理等の課題に対応できる教育研究を行う。
さらに、農学、生物学及び情報科学が連携したバイオインフォマティクスによって、医用情報の管理・ゲノムが内包する情報の解明や食品が有する機能性の解明と予測、分子モデリングの理論開発、複雑な非線形現象のモデル化・解析・シミュレーション、情報通信・集積回路の解析・設計等に対応した教育研究を行う。
本専攻では、工学系の多くの分野が連携して、教育研究を展開し、豊かな創造性と独創性をもって地域及び国際的な課題解決に貢献できる人材養成を目指す。
博士(工学)、博士(学術)
本教育コースでは、環境調和・循環型の機能性材料の創生及びエネルギーの変換・解析などについて教育研究を行う。そのため、化学・電気工学・材料工学が連携して、ナノオーダーで制御された機能性材料の創生及び新型薄膜半導体製造及び評価技術、太陽電池・燃料電池等の自然共生型エネルギーの高効率変換システムの開発などの課題に対応する教育研究を行う。さらに、ハドロン物理学や原子物理学・天体物理学を基盤とする高エネルギー粒子(素粒子・X線・レーザー・プラズマ等)のエネルギー計測及び解析に関わる教育研究を行う。
本教育コースでは、生産技術の省エネルギー化及び高度情報化について教育研究を行う。そのため、機械工学と情報工学を緊密に連携させ、生産工学・振動工学・流体工学に基づいた計測・制御システムの開発、超微細・高品質の機械加工技術及び環境負荷を考慮した構造材料の開発・生産技術に対応した教育研究を行う。また、情報ネットワーク技術・ソフトウエア技術・数理工学手法に基づいた生産情報の知的管理等の課題に対応できる教育研究を行う。
本教育コースでは、高度な情報処理技術と知識を体得し、数理モデルの構築と解法、アルゴリズムとソフトウェアに関する教育研究を行う。そのため、農学、生物学、及び情報科学が連携したバイオインフォマティクスによって、医用情報の管理及びゲノムが内包する情報の解明や食品が有する機能性(健康維持や抗ウィルス性)の解明と予測に対応した教育研究を行う。また、分子モデリングの理論開発、複雑な非線形現象のモデル化・解析・シミュレーション、情報通信・集積回路の解析・設計、自己修復型コンピュータシステム開発などの課題に対応できる教育研究を行う。