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【SATREPSレポート1】特任助教2名の派遣について

 

 新型コロナウイルス感染症の拡大で様々な規制がある中、宮崎大学は松井優人特任助教及びVetchapitak Torrung (Hong) 特任助教を、20215月から8月の約3か月間、タイへ派遣しました。

 滞在中、タイ政府による新型コロナウイルス感染症に関する規制が厳格化し、県外移動制限が要請されるなど、研究活動が難しくなることもありましたが、松井助教は、Subproject 1 (Sub 1)を、またHong助教は、Subproject 3 (Sub 3)に関する研究を実施しました。

 Sub1は、「家畜における口蹄疫、類似水疱性疾患、生産性に影響を及ぼす重要感染症の迅速診断キットを用いた鑑別診断システムの確立」をテーマとし、さらに、Sub 1-aとして「口蹄疫迅速診断キットの開発」、Sub 2-bとして「網羅的(マルチ)病原体検出システムの開発」に細分化されます。今回の滞在中は、主にSub 1-aの研究活動を実施しました。農研機構動物衛生研究所、日本ハム株式会社、富士フイルム株式会社により、既に開発されている口蹄疫の簡易迅速診断キットである抗原検出イムノクロマトキットを、タイのカウンターパート機関である口蹄疫センター(RRLRegional Reference Laboratory for FMD in South East Asia)に持ち込み、保存陽性サンプルを用いて、精度試験を行いました。

 また、Sub3は、「食肉の病原体汚染防止のための新規技術の確立」をテーマとしており、さらにSub 3-aとして、「高圧洗浄装置を用いた食鳥肉衛生の研究」、Sub 3bとして、「微生物吸着作用のある物質(火山土壌等)による応用技術研究」に分けられます。今回は、チュラロンコン大学で、主にSub 3bの研究を実施しました。日本から持参した既に微生物吸着作用が証明されている火山灰土壌、タイの農業用土壌およびタイ国内の火山灰土壌を収集し、微生物(大腸菌)吸着作用を比較検討しました。

 それぞれの研究活動の結果を現在まとめていますが、これらの結果をもとに今後の研究活動を展開していきます。

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RRLでのイムノクロマトキットを用いた実験の様子)

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(カウンターパートへのキットの説明・技術移転)

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RRLでの今後の研究活動の打合せの様子)

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(チュラロンコン大学で実施したタイ国内で採取した火山灰土壌を用いた微生物吸着試験)


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