組織・概要

センター長挨拶

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 日本有数の畜産県である宮崎県は、2000年以降、口蹄疫と高病原性鳥インフルエンザのアウトブレイクを経験し、これらの伝染病の蔓延防止措置の一環で多くの家畜の命が奪われました。宮崎大学ではこの経験から、産業動物の防疫体制の迅速な整備を、我が国の畜産基盤である南九州の最重要課題と位置づけ、2011年10月に学内共同教育研究施設として産業動物防疫リサーチセンター(Center for Animal Disease Control: CADIC)を開設し、わが国で唯一の産業動物防疫に特化した教育研究拠点としての機能強化を図ってきました。

CADICのミッション
越境性悪性家畜伝染病の経験・畜産現場を活かした
 ● 産業動物感染症制御の先端研究
 ● 防疫対策リーダーとなるグローバル人材育成
 ● 防疫の普及を通じた地域・国際貢献
 ● 持続的家畜生産基盤の強化


 持続可能な開発目標、SDGsの目標2「飢餓をゼロに」は、食料の安定的な確保と供給を目指すものです。世界的にも産業動物感染症は食料生産を低下させる大きな要因の1つであり、これらの感染症の流行防止や清浄化技術の開発は、地球規模の喫緊の課題となっています。CADICでは、感染症以外の分野も取り込んだ多分野の研究者集団による異分野融合型の防疫研究を推進してきました。従来の感染症研究のみを基盤とする古典的な防疫から脱却し、基礎から応用、数理、臨床、フィールドまで多岐にわたる研究成果を融合させた次世代の「防疫」による産業動物感染症制御を目指しています。

 CADICは2021年10月をもって創立10年を迎えることができました。2020年度より、地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)に採択された「世界の台所を目指すタイにおける家畜生産と食品安全に関する新技術導入による畜産革命の推進プロジェクト」を、世界の食料基地を目指すタイにおいて実施しています。引き続き、産業動物防疫を通じて地域社会や国際社会の課題解決に取り組んでいく所存です。ご支援のほどよろしくお願いいたします。

令和3年10月

宮崎大学産業動物防疫リサーチセンター

センター長 吉田 彩子


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