学科紹介
皆さんは獣医学という言葉を聞くとどのようにイメージされますか?おそらく多くの方々は、すぐに動物のお医者さんを連想すると思います。ところが実際は、獣医学はそれだけでなくもっと幅広い分野を含んでいます。動物と人との健康・福祉の向上のために、動物の病気の診断・予防・治療などはもとより、安心できる質のよい食料の提供、地球全体の野生動物をはじめ生物資源の保護、生命科学研究といった多彩な活動を含み、国の内外から社会や科学に貢献することが期待されている学問です。
私たちは、畜産県である宮崎の特性を生かしながら、産業動物や伴侶動物に対する医療や福祉、動物と人の共通感染症の撲滅やコントロール(鳥インフルエンザやSFTSなど)、アカウミガメや野生馬などの調査や保護、アジアに目を向けた国際交流などの活動を通じて、専門科目ごとに設置されている17研究室と附属動物病院が、他学科と協力しながら、獣医学を実践しています。また、平成22年度にはわが国で初めて医学と獣医学が融合した大学院(医学獣医学総合研究科)が設置され、先進的な獣医療を実施する高度獣医師育成コースや国際的に活躍できる研究者育成コースへの進学が可能です。
アドミッションポリシー(入学者受入方針)
獣医学科では、農学に関する基礎知識、獣医専門知識、獣医的倫理観、獣医的応用・実践・開拓力、地域・国際社会への貢献能力を身に付けた人材の育成を目標としています。
求める人物像
- 自然科学や社会的な課題に対する強い関心と、獣医学を学ぶこと対して明確な目的意識を持ち、修得した知識によって自然と共生する社会の実現に貢献する意欲を持っている人
- 国籍や言語、文化、考え方の違いを超えて、他者と協調しながら活動するために必要な語学力や自己表現力を養う意欲を持っている人
- 根拠に基づいて論理的に課題を解決するために、情報分析力、洞察力、課題探求力、思考力を養う意欲を持っている人
- 数理データサイエンス・AIやそれらを活用した先端技術に興味を持ち、それを主体的に学ぶ意欲を持っている人
- 学校推薦型選抜(地域枠)においては、獣医師として宮崎県に暮らす人々の生活を守り、地域の農林畜産業の発展に貢献する意欲を持っている人
ディプロマポリシー
獣医学科では、宮崎大学学部規則に規定する修業年限以上在学して所定の単位数を修得し、以下の素養を身につけた学生に対して卒業を認定し、学士(農学)の学位を与えます。
- 農学俯瞰力:農学獣医学に関する幅広い知識や技術に基づく思考や判断ができる。
- データ運用力:数理・データサイエンス・AIに関する応用基礎レベルのデータ運用ができる。
- 理解力・判断力:動物福祉について基本的な精神と概念を身に付けるとともにグローバルな基準と動物福祉に関する諸問題を理解し、説明できる。
- 応用力・行動力:動物組織の構造や機能、病態・疾患、感染症、公衆衛生、診断・治療・予防など、獣医師に必要な専門知識を身につけ、健全な倫理観をもって行動できる。
- 課題設定力・洞察力・論理的思考力・共感力・表現力:獣医師の社会的役割を理解し、それを実践するための基本的技能、洞察力、課題探求力、論理的思考力、協調性、計画性、コミュニケーション力を身につけ、行動できる。
- 発信力・実践力:One Healthの概念を理解し、地球規模の視点に立ってそれを普及・啓発するための知識、技能、行動力、情報発信力を身につけ、実践できる。
- 探求力・創造力:国際的あるいは先端的な研究の意義を理解し、自らの強い探究心と行動力によって獣医学の発展や、新しい社会的価値の創出に貢献できる。