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論文掲載のお知らせ『PLOS ONE』

牛の分娩は月の満ち欠けと関連しないが、不快指数および気温の日較差や大気圧と関連する

人の出産のタイミングが月の満ち欠け(月相)によって影響を受けるかどうかについての議論が古来よりあるように、牛の出産に影響を及ぼす気象条件にも諸説があり、台風の日は産みやすい、満月の夜は産みやすい、など、農家をはじめとする生産現場では様々な言い伝えが聞かれます。これらの気象条件が牛の分娩に及ぼす影響の有無を明らかにすることは、牛の分娩に伴う事故件数を減少させ、死産を予防する上でも重要なことです。

本学農学部畜産草地科学科・佐々木羊介准教授らの研究グループは、同学部獣医学科・大澤健司教授、北原豪准教授、宮崎県農業共済組合の上松瑞穂獣医師と共同で、宮崎県内の905農場における約4万頭から収集、蓄積されている分娩記録を用いて、黒毛和種牛の分娩と月相および種々の気象条件との関連性を分析しました。その結果、分娩総数や平均妊娠期間よりも早く分娩する確率と月相との関連は認められなかったものの、不快指数が高いほど、また気温の日較差(その日の最高気温と最低気温の差)や大気圧が低いほど、予定日よりも早く分娩する確率が高くなることを見出しました。以上の研究成果は、2019年7月23日にPLOS ONE誌に掲載されました。

【掲載誌】
PLOS ONE
URL: https://journals.plos.org/plosone/

【論文】
題目:Daily calving frequency and preterm calving is not associated with lunar cycle but preterm calving is associated with weather conditions in Japanese Black cows
著者:Yosuke Sasaki, Narumi Kitai, Mizuho Uematsu, Go Kitahara, Takeshi Osawa
URL: https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0220255


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