2024.06.25 掲載
國武教授、平野准教授 (植物遺伝育種学研究室) らの研究成果が「Horticulturae」誌に掲載されました。
オレンジ色のサツマイモには、ポリフェノールやカロテノイドの成分が豊富に含まれています。これらの機能性成分が、どの生長ステージで発現しているかについてはこれまで明確な情報がありませんでした。本研究では、焼酎の原料にも使われている'タマアカネ'を材料として、カロテノイドなどの機能性成分の季節変動について調査しました。カロテノイドとポリフェノールは、移植後15日の根系形成直後にはすでに蓄積していることを明らかにしました。また、総ポリフェノール含量は移植後45日後にかけて有意に増加し、貯蔵根が肥厚し始めると徐々に減少することが分かりました。これらの成分変化は、非生物および生物ストレスに対して貯蔵根を保護する戦略に寄与している可能性があり、今後他の品種でも調査していく予定です。現在、農林水産省では、「みどりの食料システム戦略」の実現に向けて、「有機農業」が推進されています。植物そのものが持つ機能性成分の役割を見直す時期にきているかもしれません。
Yuno Setoguchi, Yosuke Narasako, Tomonari Hirano, Motoyasu Otani and Hisato Kunitake, Changes in Carotenoids and Polyphenols during the Growth Stages of Orange-Fleshed Sweet Potato (Ipomoea batatas (L.) Lam.). Horticulturae 2024, 10(6), 629.