2022.03.01 掲載
本論文では宮崎県内の中山間地域で栽培されるラナンキュラスで発生するウイルス種を特定し、3種ウイルスを同時検出可能なマルチプレックスRT-PCR法を報告しました。本法を用いて現地試料を解析した結果、ラナンキュラスではラナンキュラス微斑モザイクウイルス(ranunculus mild mosaic virus; RanMMV)の感染株率が高いことが示されました。また、次世代シーケンサーを用いた網羅的解析により、RanMMVに加え、ラナンキュラス奇形葉ウイルス(ranunculus leaf distortion virus; RanLDV)の感染株率が高いこと、RanMMVとRanLDVが混合感染すると重症化することが示唆されました。本研究成果については、ウイルス感染株の早期発見に加え、苗のウイルス検定の迅速化への貢献も期待されます。