動植物資源生命科学コースでは、動物や植物に関する基礎研究に加え、食料資源としての家畜生産と植物生産を総合的に学び、動植物の生産性・生産物品質の向上、環境やアニマルウェルフェアに配慮した持続可能な生産現場および食の安全をトータルにコーディネートできる『未来の農業』を教育します。
コースの特徴
動植物資源生命科学コースでは、動植物生産と生命科学の連携、融合による新しい教育と研究、または農業分野の開拓を目指しています。動植物資源生命科学コースで学ぶ場合、次の三つのポイントがあります。

動物と植物から「農」の未来を描く
動植物資源生命科学コースでは、動物や植物に関する基礎研究に加え、食料資源としての家畜生産と植物生産を総合的に学び、動植物の生産性・生産物品質の向上、環境やアニマルウェルフェアに配慮した持続可能な生産現場および食の安全をトータルにコーディネートできる「未来の農業」を教育します。

分野融合、実跂的教育
動物と植物に関するさまざまな分野合、実的教育を行っています。
- 動植物生産と資源、生命に関する分野融合型教育
- スマート農業やデータサイエンスなどの農業DXに関する教育
- 地域資源を有効活用する循環型農業に関する教育
- 環境に配慮した安全・安心な農畜産物生産に関する実践的教育

未来の農業を作り出せる人材の育成
動物と植物に関する多面的な知識を活用して、未来の農業を創造できるリーダー人材の育成を目標としています。
動物と植物に関する自由な学び
自由に選択できるカリキュラムから、めざす進路・夢に合わせて学ぶ分野を選べるのが本コースの大きな特徴です。
- 1年生では、"農学"を構成する7つの基幹分野(農芸化学、生産農学、畜産学・獣医学、水産学、森林学・林産学、農業経済学、農業工学)の基礎となる科目(学部共通科目・学科共通科目)を学修します。
- 2年生以降は、コース専門選択科目が多く開講されるので、どのような分野を学びたいか(どのような進路に進みたいか)を各自で考えた後、想定している自分の進路・夢に合わせて、3つの教育モジュール(学びの道しるべとなる教育分野の集まり)が推奨する科目に加え、関連するユニットの興味ある科目を自由に履修していきます。
- 3年生から研究室に所属して卒業研究を行います。

動物や畜産・草地を学びたい人は「畜産・草地モジュール」、園芸や植物を学びたい人は「園芸・植物科学モジュール」、スマート農業や食品開発、持続的農業を学びたい人は「アグリイノベーションモジュール」の科目を中心に履修すると良いでしょう。
動植物資源生命科学コースでの4年間の学び

カリキュラムイメージ

講義・実験の内容
農場実習

無人田植え機や環境制御型温室を使って最先端のスマート農業について実習します。他にも農業散布ドローンや気象センサーなど様々な機器を使い、農業に関するデータサイエンスを実践的に学びます。
家畜栄養学/草類利用学実験

家畜のえさとなる飼料やエコフィールド原料(食品残さのこと)などの成分を測定します。飼料や化学薬品、分析機器を取り扱うことによって、家畜のえさの性質だけでなく化学分析の原理と操作を学びます。
農畜産食品開発学実験

農畜産物の加工方法や食品成分、衛生などの測定方法について実験します。食肉や野菜のおいしさ・食感の変化を実際に食べ比べたり、機器分析によって機能性成分を調べたりします。
よくある質問
Q:なぜ動物と植物を一緒に学ぶの?
A:近年、『耕畜連携』といって、米や野菜等を生産している農家へ畜産農家から堆肥を供給したり、逆に家畜の餌になる飼料を生産し、畜産農家へ供給する等、植物生産と畜産が相互に連携を図り、資源を無駄にしない循環型・持続可能な農業が強く求められています。本コースでは、動物と植物、その融合分野を広く学ぶので、『耕畜連携』について実践的な学習を通して理解することができます。今後の農業を考える際には、ここで学んだことが必ず役に立つでしょう。
Q:モジュールって何ですか?
A:皆さんの学びの道しるべとなるものです。動物や畜産・草地を学びたい人は「畜産・草地モジュール」を、園芸や植物を学びたい人は「園芸・植物科学モジュール」を、スマート農業や食品開発、持続的農業を学びたい人は「アグリイノベーションモジュール」の科目を中心に履修すると良いですね。
Q:どんな入試がありますか?
A:一般選抜だけでなく、学校推薦型選抜や総合型選抜の多様な入試があります。学校推薦型選抜では、専門高校で農業や畜産を学ぶ生徒さんの枠を普通高校とは別に設け、動植物について学びたい強い意欲のある生徒さんの入学ができるようにしています。
Q:生物が好きです。生物に関する基礎的な研究もできますか。
A:はい、可能です。動植物生産だけでなく、動物や植物の基礎的な研究を行っている教員もいるので、生物に関する基礎的な研究も可能です。
Q:どんな資格が取れますか?
A:卒業後に取得できる資格や、所定の単位を修得することで受験資格が得られる資格があります。具体的には高等学校教諭一種免許状(理科・農業)や学芸員などが挙げられます。詳しくは「受験生・保護者の方へ」のページの「取得可能な資格」をご確認ください。
Q:どんな実習がありますか?
A:動物や植物の生産に関する実習や、最新のスマート農業技術を学ぶ実習があります。また、実験を通して生命科学について深く学ぶ機会もあります。実習内容は学年によって異なりますが、実践的な学びを重視しています。
Q:どんな勉強をしておくといいですか?
A:生物や化学の知識があると学びやすいですが、高校での履修状況に関わらず、入学後に基礎から学べるカリキュラムになっています。また、高校の情報科目の中で学ぶデータの活用やプログラミングの基礎があると、スマート農業やデータサイエンスの分野で役立ちます。
Q:物理を選択して生物を学んでいませんが、大丈夫ですか?
A:問題ありません。物理を学んでいると,農業機械やセンサー技術,光合成の仕組みなど,農業や生命科学に関わるさまざまな分野で役立ちます。生物は、入学後には基礎から学ぶことができるので,安心してください。
Q:留学できますか?
A:海外の大学や研究機関と連携したプログラムがあり,留学することも可能です。短期の研修から長期の留学まで,目的に応じたさまざまな選択肢があります。興味がある方は,早めに情報収集をすることをおすすめします。