右京 里那 さん

2022年07月
たとえ時間がかかったとしても、きちんと自分で考えてやりぬくことを大切に。 農学工学総合研究科
資源環境科学専攻
持続生産科学教育コース 3年
右京 里那 さん

Q1あなたの研究テーマについて教えてください。

私の研究テーマは、生後早期に母親から隔離をされるというストレスを受けた個体が、どのような個体へと成長していくのかを追跡することです。これを明らかにするために、デグーという小型の齧歯類を用いて実験を行なっています。デグーは小型哺乳類の中でも高い知能と社会性を持つ動物で、社会的愛着が強いことが知られています。また、生まれてすぐに歩く、鳴くなどの行動が出来るほどに発達した状態で生まれてくるため、発達初期での行動実験が可能であるという特徴を持った動物です。 具体的には、子どもが生まれてから離乳までの期間に、母親から一時的に隔離をするというストレスを与えた後、定期的に行動試験を行い、個体の成長過程での行動傾向を比較することで、隔離ストレスが個体の気質に与える影響を調べています。できる限り長期間追跡するため、当初は個体に外科的手術や計測装置の取り付けなどの操作を行わずに行動のみを解析していました。その結果、予測よりもユニークな行動パターンが観察されたため、より多角的な評価を行う意義が高いと考えるようになりました。そのため、現在は行動と体温を同時に計測し、動物がストレスを受けた際の変化を複数のパラメーターを用いて評価するための手法の確立を試みています。

Q2いつ頃から大学院博士後期課程への進学を意識しましたか?

私が博士後期課程への進学を意識したのは、修士課程1年生の終盤ごろの就職活動が本格化する頃で、修士課程に進学した時には全く考えていませんでした。ですが、就職活動のために色々な業界や職種について調べていく中で、自分にとって何が楽しいと思えることなのかを考えた結果、企業で利益を追求するための一員となることや、直接人々の生活の役に立つような仕事よりも、興味があることを追求する方が面白いかもしれない、と思うようになりました。自信はありませんでしたが、指導教員である坂本信介先生が「研究職に向いていると思う」と、日頃から背中を押してくださっていたため、進学を考えていなかった間も研究職を選択肢の一つとして無意識に頭の片隅で考え続けていたように思います。

Q3大学院博士後期課程での学生生活について教えてください。

自己コントロールの重要性を日々感じています。博士後期課程の3年間は、修士課程の頃よりもさらに自由度が高く、自己管理が問われる期間だと思います。先がなかなか見えないという不安から、あれこれ考え込むうちに途方に暮れて動けなくなり、何も手につかず過ぎてしまった時間のことを考えて自己嫌悪に陥る、という負のループにはまってしまうこともありました。周りの頑張って色々なことに挑戦している人たちや社会人になって奮闘している友達と比較して、自分はそこまで頑張ることが出来ていないのではないか、と不必要に自信を削り落としてしまうこともありました。今はとにかく、自分がこれまでにクリア出来たことや、日々こなせていることに目を向け、きちんと評価することや、目の前のやるべきことに集中することを意識するように心がけています。目の前のことだけに集中しすぎて失敗してしまうことも多々あるのですが、先生方や事務職員の方々、研究室の後輩たちに日々助けられています。また、そのおかげで、これまであまり得意ではなかった、周りの人たちに頼る、任せる、お願いするということが出来るようになってきたと感じています。

Q4次世代研究者挑戦的研究プログラムに採用後、何か変わりましたか?

今までに自分が積み上げてきたことを使って、少し背伸びをするような意識で挑戦すれば、チャンスを掴むことが出来るという成功体験を得ることができ、少し自分に自信を持てるようになりました。 また、金銭的な余裕が心の余裕に直結するということをとても実感しました。研究室の外でアルバイトをする必要がなくなり、今までよりもさらに自由に時間を使えるようになったため、時間や体力などの管理を考える上でも楽になりました。加えて、自分の研究費を手にすることができた、という点もとてもありがたかったです。今までは、今ある環境や物資の中でどのように工夫して環境を整えるか、という考え方をしがちでしたが、採用されてからは、研究活動をより快適にするためにお金を使って何かを導入するという選択肢を、今までよりも考えやすくなったので、ここでも、金銭的な余裕が心を豊かにしてくれるということを実感しました。 加えて、このプログラムに採用された学生の研究報告会があるおかげで、自分とは異なる分野の博士後期課程の学生の研究発表を聞く機会が増えたので、良い刺激を受けることができていると感じています。

Q5将来の目標について教えてください。

動物の行動や心理に最も興味があるため、これらに関する分野や近い分野で研究を続けられればと思っています。幼い頃から動物が好きで、動物園の飼育員になりたいと思っていました。高校生の頃、進路を考え始めた時期に、テンプル・グランディンとキャサリン・ジョンソンの「動物感覚 アニマル・マインドを読み解く」や「動物が幸せを感じるとき 新しい動物行動学でわかるアニマル・マインド」に出会い、動物行動学や動物心理学という分野に興味を持ちました。そして、これに近いことを学べるのではないかと思い、宮崎大学に入学しました。動物は何を考えているのか、何をどう感じているのか、動物たちにはこの世界がどう見えているのか…人間とは種が異なる動物たちについて知ることはとても難しいですし、正解などないかも知れません。根気のいる作業や、時間のかかる作業はたくさんありますし、簡単には白黒つけられない事ばかりですが、動物たちが動くその姿を見ているのが好きなので、今後も動物の感覚の世界や心の中に向き合うことができるような分野に携わっていければと思います。また、少し遠回りになったとしても自分が納得できるところまで考え、やりぬくことを大切にしていきたいです。

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