「性に関する無知で傷つかない未来へ」助産師を目指す看護学生の挑戦

  • 宮脇 由記子
  • 出場時の所属:宮崎大学医学部看護学科2年
  • 令和4年度開催:第3回 宮崎ビジコン出場出場
「性に関する無知で傷つかない未来へ」助産師を目指す看護学生の挑戦

「性についての無知とタブーで傷つかない未来を実現したい」、そう思いを持った宮脇由記子さん。
「Let me be~看護学生を中心とした性の課題解決×人材育成~」というプランで、第3回宮崎・学生ビジネスプランコンテストにおいて審査員特別賞を、また同年の九州・大学発ベンチャー・ビジネスプランコンテストでも優秀賞を受賞。看護学科初の決勝進出者である宮脇さんに、ビジコン出場の経緯やその後の活動についてお聞きしました。

「君ならできるよ!」に後押しされて

出場から2年経ち、「ビジコンに興味を持ったきっかけって覚えてますか?」と聞くと、「正直、『グランプリ賞金30万円』が最初に目につきました」と苦笑いしつつたくさん答えてくださいました。大学生活このままで良いのかという思いからまずは説明会に参加。プランも案もないけれどひとまず参加した説明会で、総合プロデューサーの土屋先生に「君ならできるよ!」と言われたことでチャレンジしてみようと思ったそうです。大学の講義で学んだことや日本の社会課題と自身の生い立ちから経験したことを振り返ると、看護学生という立場から何かできることがあるのではないかと考え始め、教育プログラム内で出会った学生との切磋琢磨で刺激を受け、よりモチベーションが高まったと言います。

チャレンジする人たちの集まりに飛び込んでみたら

ビジコンで得たものは「たくさんあるが、挑戦する同世代の仲間との出会いと、行動・チャレンジへのハードルが下がったこと」と答えてくれました。
ビジコンには1人で出場したが、コンテスト終了後も交流の続く高めあえる仲間ができたそう。その仲間とは、自身のビジネスプラン「Let me be」にて出てきた「性について学べるボードゲーム『GENIE』」体験イベントを一緒に運営したそうです。人と違うことをすることでの周囲のリアクションを考えて不安を感じることもあったけど、ビジコンは「チャレンジする人たちの集まり」なので出場者、先生、運営スタッフ、みんなの応援が嬉しかったと語ってくれました。
またインタビュー時は、渡航準備中で、次なる「行動・チャレンジ」をしていました。 「ビジコンを通して、勇気を出して行動した先にステキな方々との出会いや、新しいチャンスにつながることを実感したので、頭の中で考えているだけではだめ。まずは行動してみなきゃって思えるようになった。考えがまとまっていなくても誰かに話してみても良いし、新しい価値観や思想の人と交流できる場に行ってみることも大事だと感じている。新しいことや他人と違うことをすることで自分の強みを模索しているとも感じていて。いろんな経験をして自分の強みを増やしていきたい。」

「性について伝える」を実際にやってみて

ビジコン出場をきっかけに、「GENIE」体験イベントや、学校現場で性教育の協力を続けている宮脇さん。実際に中高生に性教育をしてみて感じることがあったと言います。
「性について知識がないことやこれまでに正しい性教育を受けられていないことが葛藤に繋がっていることを体感した。思春期の性教育は学校教育の中だけではどうしても先生たちが伝えきれない部分があるし、年齢の近い大学生からの言葉だからこそ、ただ知識を与えるのではなく、自分ごととして捉えてもらえることが出来ている。
生理やPMS、性的同意についてなど担当の先生にも同意をいただいた上で、敢えて言葉を濁さずに話をするようにしている。生徒は最初こそそわそわしているが、最後には真剣に聞いてくれて、『不安を感じていたのは自分だけではない、相談しても大丈夫なのだと知った』『自分の頑張りたい部活や勉強のためにも自分の身体を大事にしていきたい』と感想をもらった。
担当の先生からも『教員からだけでは伝えきれないことを言ってもらえてありがたい』と言ってもらえた。」 宮脇さんがミッションに掲げる「性についての無知とタブーで傷つかない未来の実現」へ一歩ずつ近づいている。

ビジコンへのチャレンジを悩んでいる学生へ「自信がない人ほどチャレンジを!」

「自身の専攻や、目指す職業にとらわれ過ぎずに、ぜひやってみてほしい!自信がない人ほどぜひチャレンジを!」とエールを送ってくれました。
大学入学時から助産師になる夢は変わらず、ビジコンやその後の活動を経て、むしろその思いは強くなった。今では「出産する母親や子供を含め『性に関する悩みを持つ人に寄り添える人』になりたい」と考えるようになったそうです。
「私は基本的に、自分に自信が無い」けれど、自信をつけるために宮脇さんはチャレンジを続けているそうです。「ビジコンだけでなく、何かしらチャレンジすることで(結果がどうであれ)得るものはある!自分が考えていることって、どんなに小さなことでも身近な人や知らない誰かのためになることがある。迷っているなら、どんどんチャレンジしてみて。」 ビジコンをはじめ、様々なチャレンジを続けている宮脇さん。将来、助産師になって助けられたはずなのに失われた命や性についての無知で傷つく人が少しでも減る社会への貢献をされることに期待です。

インタビュアー後記

オンラインで1時間以上お話させてもらいました!2日後には海外に行くというタイムリーな時期。2年前を振返ってのインタビューでしたが、「チャレンジ」「仲間とのつながり」はずっと続いていることを笑顔で語ってくれました。気を付けていってらっしゃい!