技術とアイデアで、障がい児童福祉施設の課題を解決

  • 藤島 旺志
  • 出場時の所属:宮崎大学工学部電子物理工学科2年
  • R2年度開催:令和2年度みやざきビジコン出場
技術とアイデアで、障がい児童福祉施設の課題を解決

障がい児童福祉施設向け業務サポートアプリ「リンク」を運営する藤島旺志さん。宮崎大学の現役学生です。令和2年度みやざきビジコンにて宮崎銀行頭取賞、その後の九州大会で九州経済連合会長賞(3位)受賞という成績を残し、事業を確立させるべくクラウドファンディングにも挑戦しました。放課後等デイサービスと宮崎市独自のサービスの日中一時支援でアルバイトをしながら、現場の課題解決に挑む藤島さんにお話を伺いました。

障がい児童福祉施設に少しでも貢献したくてビジコンに出場

藤島さんが「リンク」の活動を始めたきっかけは、藤島さん自身が障がい児童福祉施設でアルバイトをしており、現場の課題感を肌で感じたことでした。連絡帳などの書類業務に職員が多くの時間を費やし子どもと接する時間が削られていることに疑問を感じた藤島さんは、課題解決のために仲間4人で立ち上がりました。

「障がい児童福祉施設でアルバイトをはじめて、自分たちに少しでも貢献できることがないかと考えました。ビジコンに出ることで、まずはより多くの方に障害児童福祉施設の現状を知ってもらいたいと考え、出場を決意しました。一年生のときはビジコンは遠い存在で、すごい人が出るんだろうなくらいの感覚だったのですが、挑戦して本当によかったと思っています。」

数え切れないくらい何度もリハーサルを行った

内容に自信はあったけれど、発表が不安だったという藤島さん。ビジコンに参加し「伝える力」を養いました。

「人前でマイクを持つのが初めてだったので、準備の段階でも頭が真っ白になりセリフも飛んでしまいました。本番を乗り越えられたのは仲間の協力のおかげです。毎晩泊まり込みで数え切れないくらい何度もリハーサルを行い、苦手を克服しました。プレゼンの準備はとても大変でしたが、たくさんの方にインタビューに伺い、一つ一つの可能性を丁寧に文字に落としていきました。

自分たちは経済やビジネスとかについて全く知識がない状態で始めたので、本当に多くの方にご指導とご支援をいただき、今も多くの影響を受けています。」

クラウドファンディングで運営資金を調達

2021年には、リンクの運営資金を募るためのクラウドファンデイングを実施。140名以上から約100万円の支援を集めました。今は開発段階で、一施設で実証実験をしながら運用をしています。

「まずは宮崎から始めて、ゆくゆくは全国どこにでも取り入れてもらえる状態にしたいです。自治体によって手続きなどが全く違うので、そういう勉強もしています。自分たちは素人なので、その分勢いよく自分たちができることを全力で突っ走っていくだけです。利益をとことん追求するよりは、少しでも障害児福祉に寄り添い、施設のためになれるような活動ができるようになればよいなと思っています。」

みやざきビジコンは活動の原点

最後に、藤島さんにみやざきビジコンへの想いを語っていただきました。

「みやざきビジコンは自分たちの原点です。ビジコンに出たことで、もっといろんな世界を知りたくなりました。自分たちが行っていることをビジネスとして考えることで、より深くその分野について学ぶことができたり、他の出場者の活動を知ることで活動の視野が広がりました。

ビジコンに出るまではこういう取り組みをするとは全く想像していなかったですし、今の周りの環境、仲間、知識、全てをビジコンから与えてもらったような感覚です。感謝しかないですね。以前の僕のようにビジコンを遠い存在に思っている学生さんにも、絶対におすすめしたいです!」

現場を知るからこそ課題に真摯に向き合う藤島さんたち。クラウドファンディングも成功し、勢いを加速した今後の活躍に期待です。