宮崎大学
大学案内

平成30年度卒業証書・学位記・修了証書授与式告辞(平成31年3月22日)

告辞

改元の時を迎え、平成から新しい年号へと変わろうとする歴史の節目にあたり、ここに平成30年度宮崎大学卒業証書・学位記ならびに修了証書授与式を行いますことは、平成の時代に旧宮崎大学と宮崎医科大学との統合や国立大学の法人化など、大学として大きな出来事を刻んできた本学にとって、まさに歴史的意義の深いことであります。

宮崎県知事河野俊嗣様をはじめ、ご来賓の皆様、卒業生・修了生のご家族の皆様、お忙しい中にもかかわらず、多数ご参列いただき心から御礼申し上げます。

本日ここに巣立ちの日を迎える卒業生の皆さんに、心から祝福の言葉を送ります。おめでとう。またこの日を待ち望んでおられたご家族の皆様はじめ関係の皆様も、さぞかしお喜びのことと拝察いたします。おめでとうございます。

本日は、学士課程においては教育文化学部216名、医学部167名、工学部335名、農学部261名の卒業生に卒業証書・学位記を授与することができました。
また大学院修士課程では教育学研究科27名、医科学看護学研究科1名、看護学研究科6名、工学研究科137名、農学研究科57名、医学獣医学総合研究科10名に学位記を授与することができました。
博士課程では医学獣医学総合研究科博士課程12名、農学工学総合研究科博士後期課程5名に学位記を授与することができました。
さらに、畜産別科5名に修了証書の授与ができました。

以上総計1,239名の卒業生・修了生を送り出すことになります。

この中には各国からの留学生の皆さんも含まれています。学士課程6名、大学院修士課程15名、大学院博士課程10名、合わせて31名に卒業証書・学位記ならびに修了証書を授与することができました。言葉や習慣の違いを克服して、目的を達成された皆さんの努力に心から敬意を表します。

宮崎大学は平成15年に旧宮崎大学と宮崎医科大学が統合して、新しい宮崎大学となり、今日まで平成の時代を歩んで参りました。現在では5つの学部教育と8つの大学院教育課程をそなえ、地域に根付いた高等教育機関としての活動を続けています。その成果は数多くの研究論文や学術活動として全日本、全世界に発信されています。

宮崎大学の国際交流は、大きな広がりの輪となって発展を続けています。国際連携センター長の伊丹副学長を中心とした活動は、世界31ヵ国に131の協定校を得るにいたり、実質的な連携事業が推進されています。お互いの国とその文化を認め合い、ともに前進する国際交流の尊さを大切にしながら進められています。本学を卒業した留学生は、帰国後も宮崎で学んだ学問と親交の絆を大切にして、それぞれの母国と日本、宮崎との架け橋になり、世界のあちらこちらで多数活躍中です。今年卒業する留学生の皆さんもぜひ、帰国後は国際的な架け橋としての役割を果たしてもらうことも期待しています。

平成31年2月22日午前7時29分、宇宙航空研究開発機構(JAXA)による探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」に着陸したとの報道がなされました。小惑星の探査は太陽系誕生の謎と資源としての潜在能力の可能性などから世界的にも注目されている研究ですが、日本はそのリーダー的役割を果たしています。当初は平成30年10月に着陸する計画でしたが、種々の要因を慎重に検討した結果、着陸延期が決定されました。様々なデータを再検討し、着陸の精度を約20倍高めて、許される着率地点の誤差3mという難度の高い目的を立て、持てる科学技術を駆使して、年が明けた2月22日に無事着陸という偉業がなされました。表面に試料採取のためクレーターを作り「リュウグウ」の表面下にある風化や汚染の少ない様々な資料が採取され、これを地球に持ち帰ることを目指して、さらに研究は続けられています。太陽系の謎、ひいては生命誕生の謎にもつながる可能性のある小惑星に関する研究の成果が期待されています。平成17年の初代「はやぶさ」での試料採取は不発に終わっていただけに、今回の研究グループの冷静な判断と決断には敬意を表したいと思います。一つずつ数値に基づくエビデンスを積み上げ、詳細な着陸計画をつくりあげた科学者の思考と粘り強さを見ることができました。責任者を務めた津田雄一さんは、新聞社の取材にて、「あとは祈るだけ」とまで任務を研ぎ澄ました後、着陸前日にはいつも行く神社で手を合わせたと述べています。究極の科学者でありながら、なお神をおそれ謙虚に物事に取り組む素晴らしい姿を私たちに示してくれています。

本日ここに卒業式、修了式を迎えられた皆さんの前途にも多くの解決不可能と思われる困難な問題が待ち受けているかもしれません。その時には「はやぶさ2」の研究者グループが示してくれたように、入手可能なあらゆるデータを冷静に分析して判断し、謙虚にものごとに取り組む努力をしてくれるよう望んで、本日の告辞とします。

平成31年3月22日
宮崎大学長 池ノ上 克

Get ADOBE READER

PDFファイルをご覧いただくためには、Adobe Reader(無償)が必要です。
Adobe Readerは Adobe Readerのダウンロードページよりダウンロードできます。

文字サイズ 標準 拡大


PAGE TOP

宮崎大学
MENU CLOSECLOSE