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平成27年度卒業証書・学位記・修了証書授与式告辞(平成28年3月24日)

春の息吹が胸いっぱいに感じられる中、平成27年度宮崎大学卒業証書・学位記ならびに修了証書授与式を行えますことは、大きな喜びであります。
宮崎県知事河野俊嗣様を始め、ご来賓の皆様、卒業生・修了生ご家族の皆様、お忙しい中多数ご参列いただき心から御礼申し上げます。
また、ご家族の皆様におかれましても、お喜びのことと拝察いたします。
本日は、学士課程においては教育文化学部230名、医学部160名、工学部378名、農学部251名の卒業生に卒業証書・学位記を授与することができました。
また大学院修士課程では教育学研究科33名、看護学研究科3名、医科学看護学研究科7名、工学研究科121名、農学研究科70名、医学獣医学総合研究科13名に学位記を授与することができました。
博士課程では医学系研究科博士課程2名、医学獣医学総合研究科博士課程13名、農学工学総合研究科博士後期課程12名に学位記を授与することができました。
さらに、畜産別科4名に修了証書の授与ができました。
以上総計1,297名の卒業生・修了生を送り出すことになります。
この中には留学生の皆さんも含まれています。
学士課程5名、大学院修士課程で21名、大学院博士課程で6名、合わせて32名に卒業証書・学位記ならびに修了証書を授与することができました。
言葉や習慣の違いを克服して、目的を達成された努力に心から敬意を表します。
宮崎大学の国際交流は最近大きな広がりの輪となってきました。
とりわけ世界に凶悪なテロの恐怖が広がる今、お互いを認め合いながらともに前進する国際交流の尊さが求められています。
帰国の後も、宮崎で育んだ学問と親交の絆を大切にそれぞれの母国との架け橋となってもらうことを期待します。
今年度のノーベル賞を受賞されたお二人の日本人の研究者、大村智博士と梶田隆章博士はどちらも地方の大学で学ばれ、それぞれの道をめざして地道に研究を続けた方であります。
最初は必ずしも恵まれた研究環境とは言えない中での出発であったそうです。
さらにお二人とも人間味に溢れる素晴らしいお人柄だと聞いています。
宮崎大学で学び多くの知識と技術を得て、それぞれの道に進もうとする皆さんにとっては、お二人の受賞は大きな励みとなり、お手本になる生き方であろうと思います。
卒業生の皆さんとともに、お二人の志の高さに改めて敬意を表したいと思います。
16世紀後半の天正遣欧少年使節団の中のリーダー格であった伊東マンショの肖像画が、2014年3月、新たにイタリアで見つかったとの報道がありました。
ご存じのように伊東マンショは都於郡、現在の宮崎県西都市で伊東家10代城主の外孫として生まれますが、戦で城を追われ、山中を一族とともに逃げ惑う過酷な幼少期を過ごしています。
その時に培われた強靭な肉体と精神力が少年使節としての偉業の基になったと考えられています。
この度発見された肖像画は当時ヨーロッパでも高名な絵の工房で描かれていることが分かり、一行のヨーロッパ訪問が大きなインパクトを与えたことを知ることができます。
サン マリノ共和国特命全権大使で、駐日外交団長を務めるマンリオ カデロ氏は小学館新書による著書「だから日本は世界から尊敬される」の中でこのことに触れて外交官の立場で意見を述べておられます。
日本の文化と伝統を深く理解する外交官カデロ氏によれば、日本とヨーロッパを往復し、双方の文化や文明を伝えた日本最初のヨーロッパへの大使であったと述べています。
さらに駐日外交団長として活躍するカデロ氏の原点は伊東マンショ達にあるとまで言い切っておられます。
国際化が進み多くの人々が世界を行き来する現代社会からみて、正に時代の先駆けとなる勇気ある行動であったと評価されています。
日本出発前や、旅の途中で学んだラテン語を理解し、パイプオルガンなどの楽器を立派に奏でる10代半ばのマンショ達一行は、当時のヨーロッパの人々にはとても神秘的にみえただろうと、ヨーロッパ人の目で述べています。
宮崎大学で学び、宮崎で遊び、強靭な体力と精神力を身につけた皆さんは、今まさに社会へ、そして世界へと飛び立とうとしています。
この宮崎の地で400年以上も前に若い少年たちが世界に向かって飛び立ち、我が国とヨーロッパを結ぶ最初の文化・文明の大使としての役割を果たした彼らのことを誇りに思い、それぞれの人生を突き進んで行ってもらいたいと願いつつ本日の告辞といたします。

平成28年3月24日
宮崎大学長 池ノ上 克

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