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令和4年度宮崎大学入学式訓辞(令和4年4月4日)

訓辞

新入生の皆さん、入学おめでとう。
本日、1,410名の新入生を迎えることができました。
新入生の皆さんを前に、直接、訓辞を述べることができ、とても嬉しく思います。宮崎大学を代表して、心から歓迎いたします。

その一方で、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ご家族の皆様をはじめ関係者の皆さんには本会場での参加をご遠慮いただきました。この式場で慶びの言葉を直接お伝え出来ないことがとても残念ですが、心からのお祝いを申し上げたいと思います。

宮崎大学の歴史は明治17年に設立された師範学校に遡ります。現在の教育学部の前身です。農学部は大正13年設立の高等農林学校に、また、工学部は昭和19年の高等工業学校にルーツを持ちます。昭和49年には宮崎医科大学として、現在の医学部が設立され、平成28年には地域資源創成学部が加わり、現在の5学部を擁する総合大学となりました。このように、140年近くの歴史を持っています。宮崎大学のスローガンは「世界を視野に 地域から始めよう」です。このスローガンのもとに、地域社会との連携を強固にして、教育、研究、地域貢献、国際貢献を展開しています。そして、その成果を世界に向けて発信する大学でありたいと考え、学生と教職員が一丸となって日々努力を重ねているところです。

また大学には木花キャンパスや清武キャンパスがあり、さらには県内各地に広がる実習フィールドがあります。そこでは優れた研究を展開している多くの指導者に出会うことができます。新型コロナウイルスの危機が治まり、大学に本来の姿が戻った時には、素晴らしい研究者や教育者との出会いを求めて、自分から積極的に活動して欲しいと思います。そして生涯の財産となる知識や技術を身に付けるよう努力してください。

また、心許せる友人を求めることも大切です。人生に一度や二度は必ず親友の言葉や思いやりに救われる場面があります。日頃から心を開いて相談し合える友の存在はかけがえのないものです。さらには、座右の書を持つことも重要です。人生の師に巡り合うのはなかなか難しく、また幸運も必要です。しかし、人生の書を求めることは比較的容易です。私も数冊持っていて、様々な機会に至言・箴言を読み返しては、意を新たにしています。折に触れては精神を活性化できる、自分に合った座右の書を持って欲しいと思います。
 
皆さんは将来、コロナ世代と呼ばれるかもしれません。2年もの間、従来のような勉学ができない状況が続き、web学習などの新たな方法で研鑽を積んで、入学試験を突破してきました。大変な苦労もあったでしょうが、その中で、様々な工夫をこらして、勉学に励んできたことでしょう。困難の中にこそ、新たな可能性の芽があります。この貴重な体験を活かして下さい。全世界の同世代の若者が、同じ時期に、同じ経験を積んでいるということは、世界中の若者が皆、同じスタートラインに立っているということでもあります。世界中の若者と連携して下さい。また、ここからの一歩一歩が重要な意味を持ちます。世界中の若者と、ある時にはライバルとして競争して、ある時には友人として共同して持続可能な世界を主導して下さい。

入学後もしばらくは、感染状況を見つつ、遠隔授業と対面授業を組み合わせた、変則的な授業が実施されることになるでしょう。また、学生食堂や学内ストアなど、人と人との距離が近くなりやすいところでは、格段の注意を払うように努める必要もあります。本年4月からは、民法の改正によって18歳が成人となりました。すなわち、皆さんには、責任ある大人としての自覚も求められます。このような急激な変化の中で、戸惑いを感じることもあると思います。もし、体調の不良や気持ちの落ち込みなどを感じることがあったら、学生支援部の職員や、安全衛生保健センターの医師などが、万全の態勢で支援をする体制が確立していますので、躊躇することなく相談にきてください。

新型コロナウイルス感染症、世界で起こっている紛争、気象異常や自然災害など、これからも困難な事態が起こりえます。これからの大学生活の中で、皆さんそれぞれが得る経験や学びを今後の人生における知の財産として活かすよう努めてもらいたいと思います。宮崎大学は、どのような状況下にあっても、教育や研究そして地域貢献の活動を続けていかなければなりません。大学としての機能を保ちながら、逆風を順風へと積極的にとらえて、新しい時代にむけた大学の行動を模索していきます。皆さんも一緒に、良い結果に結びつくような新時代を築きましょう。

皆さんのこれから始まる大学生活が有意義で素晴らしいものになることを信じて、私の訓辞とします。

令和4年4月4日
宮崎大学長 鮫島 浩




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