ニュースリリース
2021年02月16日 掲載
宮崎大学大学院農学研究科修士課程の小倉李来大学院生と農学部植物生産環境科学科植物病理学研究室担当の竹下 稔教授は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム A-STEP 機能検証フェーズ:試験研究タイプ(グラント番号:JPMJTM19GN)「サツマイモの革新的ウイルス検定技術およびウイルス病害調査マニュアルの開発」において、発生の多いウイルスおよび糸状菌病害に関するサツマイモ病害診断・観察簡易マニュアルを作成しました。
現代の農業生産現場では、同一作物の連作による病原体密度の増加や地力の低下などにより、農作物は病害の影響を受けやすい環境下に置かれています。また、国際化の進展による国内未報告病害の発生や、薬剤耐性菌の出現、病害発生ほ場の拡大などにより、より一層厳格な病害管理が求められるようになっています。
植物病害は早期発見と早期防除に努めることが肝要で、そのためには病害の発生機序や病徴を把握する必要があります。今回作成したマニュアルでは、甘藷(サツマイモ)を生産する上で重要とされる病害に関し、数品種での典型的な病徴をまとめました。また、植物病害の基礎的情報や検出・診断に関わる情報も掲載しており、病害防除への関心が高まることを期待しています。
宮崎県は全国でも有数のサツマイモ生産地ですが、この「サツマイモ病害診断・観察簡易マニュアル」を、生産地での高品質・収量安定化の手助けや病害防除への興味の入り口としてご活用いただければと考え、マニュアルを入手したい方に、電子データでの提供を行うことといたしました。
ご関心がある方は、こちらに記載のある連絡先にお問い合わせください。
病原ウイルスや病原糸状菌などの感染によって引き起こされる植物病害は、安定して高品質のサツマイモを生産する上で大変な脅威となっています。例えば、ウイルス病害を抑制する最も有力な手法として、検定を施したウイルスフリー化苗の定植栽培が挙げられます。しかしながら、国内外の最新の学術情報によると、サツマイモに感染するウイルス種は多種多様であることが判明してきています。そこで、圃場における最新の病害調査を基にした宮崎大学の研究成果を活用し、サツマイモ病害診断・観察簡易マニュアルを作成しました。サツマイモ苗の生産段階も含め、栽培中のウイルス病害や糸状菌病害の発生に対する監視活動に是非ご活用下さい。
マニュアルの特徴 本マニュアルでは以下の構成で、写真や図とともにわかりやすく解説しています。
本件プレスリリース
https://www.miyazaki-u.ac.jp/public-relations/20210216_01_press.pdf
農学部ウェブサイト
http://www.miyazaki-u.ac.jp/agr/
農学部植物生産環境科学科ウェブサイト
http://www.miyazaki-u.ac.jp/agrenv/
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