宮崎大学
ニュースリリース

過去最高の熱電変換性能指数を示す環境調和型熱電材料の実現-独自の材料開発技術から熱エネルギーの有効利用に貢献-

2021年07月28日 掲載

発表のポイント
■これまで主要な熱電変換材料は有毒な元素や高価なレアメタルを含んでおり、安心安全な環境調和型の材料開発が必要です。
■地殻中に豊富に存在し、毒性の低い元素で構成された環境調和型Cu2ZnSnS4(CZTS)単結晶を開発し、硫化物系材料における熱電性能指数の世界最高値ZT=1.6を達成しました。
■CZTS単結晶成長は宮崎大学独自の技術であり、今後熱電発電の社会普及のために貢献します。



【概要】
本学工学部環境・エネルギー工学研究センターの永岡章准教授を中心とした、同センターの西岡賢祐教授および電気電子工学プログラムの吉野賢二教授の研究グループは、身の回りの熱を効率よく電気に変換する環境にやさしいCu2ZnSnS4熱電材料の開発に成功しました。熱電変換材料の性能指数であるZT 1)値[= (熱電能) 2)の2乗×(電気伝導率) 3)×(絶対温度)÷(熱伝導率) 4)]の向上を目指して世界中の研究者がしのぎを削っています。今回特許も取得している独自の結晶成長技術を用いて、有毒な元素や高価なレアメタルを含まない硫化物材料(環境調和した材料)における最高値のZT=1.6を500 ºC付近で達成しました。
本研究は、ユタ大学のTaylor Sparks准教授、Michael Scarpulla准教授、トヨタ自動車の増田泰造博士との国際的な共同研究です。本研究成果は、7月20日付で英国・王立化学会の材料化学専門誌「Journal of Materials Chemistry A」のオンライン版に掲載され、同誌back cover論文に選出されました。この材料を利用する事によって、例えば車のエンジンで利用されずに大気中に放出される高温の熱を電気に直接高効率で変換する技術への展開も期待されます。環境調和した独自の熱電変換材料からカーボンニュートラルやSDGs実現へ貢献していきます。



(用語説明)
1)熱電性能指数 ZT・・・熱電材料の熱から電気変換効率を示す指標。性能指数 ZT [= (熱電能)の 2 乗×(電気伝導率)×(絶対温度)÷(熱伝導率)]で表される。式から理解できる通り、良い熱電特性のためには、「高い電気伝導率」と「低い熱伝導率」の両立が求められる。
2) 熱電能・・・熱電材料に温度差を与えたときに発生する単位温度あたりに発生する熱起電力(電圧)の温度係数。ゼーベック係数とも言う。
3) 電気伝導率・・・電気の流れやすさを示す指標。
4) 熱伝導率・・・熱の伝わりやすさを示す指標。



◆研究者からのひとこと
熱エネルギーをはじめとした再生可能エネルギー研究において、今後も宮崎から世界へインパクトのある研究成果を発信できるように努力していきます。



20210728_nagaoka.jpg

論文誌のBack coverのデザイン画 (掲載雑誌より引用)
高品質なCZTS単結晶に温度差が生じることで発電する事を直感的に表現しています。



プレスリリース(2021.7.28)
http://www.miyazaki-u.ac.jp/public-relations/20210728_01_press.pdf

〇研究者データベース
西岡 賢祐 https://srhumdb.miyazaki-u.ac.jp/html/100000241_ja.html
永岡 章 https://srhumdb.miyazaki-u.ac.jp/html/100002083_ja.html
吉野 賢二 https://srhumdb.miyazaki-u.ac.jp/html/122_ja.html

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