住吉フィールド(牧場)の特徴

当牧場は、昭和5年に宮崎高等農林学校の附属住吉牧場として設置され、昭和21年の「国立大学設置法」の公布による宮崎大学農学部の設置とともに、大学附属牧場となりました【沿革】)。現在の正式名称は、宮崎大学農学部附属フィールド科学教育研究センター・住吉フィールド(牧場)です。


このフィールド科学教育研究センターは、「自然との共生」および「環境との調和」の理念のもとに、【農場】(宮崎市学園木花台)、牧場(宮崎市大字島之内)、【演習林】(宮崎市田野町)および【水産実験所】(延岡市赤水町)を機能的に統合して平成13年4月に設置されたものです。 「日本の食糧供給基地」といわれる宮崎県の豊かな自然に囲まれた広大な敷地に、作物(畑作物、水稲など)、園芸(果樹、野菜類、施設園芸、花卉類)、畜産(酪農、繁殖、肥育)、林業、水産などの多様な分野を、充実した規模・内容・スタッフで展開する恵まれたフィールド教育環境を有し、様々な学生を対象とする実践教育と共同利用を目的に有効利用されています。


住吉フィールド(牧場)では、家畜の健康と福祉を考慮し、飼養する約300頭の家畜(乳牛50頭、繁殖母牛50頭、子牛60頭、肥育牛40頭、ブタ100頭)に対して、可能な限り放牧を主体とする飼養管理をおこなっています(平成27年度から再開した養豚教育においても、放牧を活用しています)。およそ50haの広大な敷地を利用した粗飼料ほぼ自給の実績を生かして、飼料作物の作付けから収穫までの一連の過程を、充実した作業機械類を操作する熟練したスタッフの下で実践的に学習することができます。


また、当フィールドでは、すでに多くの大学附属牧場で廃止された乳牛の搾乳も実際の酪農家に近い規模で行い、加工施設にて大学独自ブランド「宮崎大学Milk」の生産・販売を行っています。これらの乳牛を活用して、搾乳、飼養管理、繁殖管理ならびに高品質の牛乳を用いた乳加工実習を実践的に学習することもできます。


黒毛和種牛においても、大学独自ブランドである「宮崎大学Beef」の生産・販売を行っており、繁殖母牛の管理から人工授精、妊娠鑑定、分娩管理、出生子牛の育成、肥育牛管理、枝肉出荷など、牛の出生から出荷まで一連の過程を学習できます。


大学独自ブランドを利用した各種タイアップ製品(ビーフカレー等)も一般企業と共同で開発・販売しており、6次産業化を図っています。また、全国初となる畜産分野のGAP認証農場として、全国のGAP教育の最先端を実践しています。ICTやDXを活用した生産性の向上や、持続可能な畜産をさらに発展させるための最先端の取り組みが同時並行で進められています。また、平成22年の宮崎県における口蹄疫の発生を受けて、実際の経験に基づく最前線の防疫態勢・衛生管理を実施しながら、健康な家畜の生産に努めています。


和牛放牧 枝肉 Milk 養豚