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国際学会派遣

2011/02/10

国際学会派遣助成 平成22年度 上地珠代さん

平成22年度国際学会派遣事業採択者レポート


助成事業「女性研究者支援のための国際学会派遣」の採択者よりお話をうかがいましたのでご紹介いたします。

フロンティア科学実験総合センター 実験支援部門RI分野RI清武分室 上地珠代さん

国際学会の学会名(大会名)と開催地・開催期間は?


大会名 RNA 2010 Annual Meeting
開催地 シアトル(米国)
開催期間 2010年6月22日〜6月26日

どういう内容の学会だったのですか?


本大会は、1993年に設立された「The RNA Society」主催の年会で、今年は15回目の大会でした。ワシントン州シアトル市にあるワシントン大学の、広大なキャンパス内で開催されました。長年RNA研究に携わってきた22名の研究者の講演に続き、若手を中心とした口頭発表(111演題)、およびポスター発表(560演題)が、毎日夜遅くまで行われました。mRNA, tRNA, rRNAの生合成、代謝、構造に関する研究、近年注目されているnon-coding RNAに関する研究、RNAと疾患に関する研究など、最新の成果が報告されました。

国際学会までの旅の印象やエピソードを教えてください。


出発前にシアトルの地理を調べて、入り組んだ海岸線をもつ街であることを初めて知りました。シアトル・タコマ国際空港から街の中心まではライトレール(電車)が走っています。途中、マリナーズの本拠地であるセーフコフィールドが目の前に現れます。街の中心地には、映画やドラマの撮影に使われたスペースニードルや水上家屋、病院などがあります。日本でもおなじみのコーヒーショップの1号店もあり、観光の人気スポットになっています。海風をさわやかに感じる季節だったこともあり、おだやかな街という印象を受けました。大学は、ダウンタウンの少し北に位置しています。会場となった建物前の広場からは、タコマ富士とも呼ばれるマウント・レーニアの美しい姿を望むこともできました。

国際学会に参加した感想をお願いします。


ポストゲノム時代に注目されている分野であり、新しいことが次々と報告されています。研究内容が細分化されていく印象ももっていました。しかし、すべては細胞内でおこる連続した反応であり、世界中の研究が宮崎大の私たちの研究室につながっているということを意識しました。日本でも多くのすばらしい研究が進んでおり、私たちの研究もその中の一つとして分子生物学の分野にインパクトを与えたいとも思いました。RNA2011は京都で開催されます。そこでの成果報告にむけて、気持ちの高まりのようなものを感じた学会でした。

国際学会派遣公募の制度について感想をお願いします。


派遣制度が、国際会議への参加の後押しになることはたしかで、多くの人が利用するべきです。そのために、大学の制度として続いていくといいなと思います。また、一度の参加を「いい経験だった」「ためになった」で終わらせないように、継続した参加を自身の努力で可能にする努力が、さらに重要だと考えます。プレゼンテーションの能力は経験を積むことでしか磨かれないと思うからです。
キャンパス内の美しい建物

キャンパス内の美しい建物

キャンパスから望むレーニア山(中央奥)

キャンパスから望むレーニア山(中央奥)

ポスター会場でのディスカッション。

ポスター会場でのディスカッション。

バンケットにて。日本のRNA研究の若手ホープ(?)たち。(弘前大、慶応大、神戸大、名古屋大、熊本大、宮崎大からの参加者)

バンケットにて。日本のRNA研究の若手ホープ(?)たち。(弘前大、慶応大、神戸大、名古屋大、熊本大、宮崎大からの参加者)