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女性研究者紹介 詳細

2010/04/06

工学部材料物理工学科原子核物理グループ 前田 幸重 先生

東京大学理学部物理学科卒業
東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程卒業
東京大学付属原子核科学研究センター(CNS)学振特別研究員(PD)
九州大学大学院理学研究院物理学部門 助教
宮崎大学工学部材料物理工学科 助教(現職)

研究内容や研究に携わるきっかけなど教えてください。


研究の道へ進むきっかけとなったのは、高校生のときに物理が面白いな、と思ったことです。目の前の現象にはどのような力が働いて起こっているのかを解明し、理論づけることが、パズルのような感覚でした。そして、理学部物理学科に進学し研究をするうちに、物理の中でも原子核や素粒子の世界が量子力学的な楽しみを得られると感じ、現在の研究に至っています。
具体的にいうと、自然界の4つの力(重力、電磁力、強い力、弱い力)の中の「強い力」についての研究です。
なぜ原子核という小さい領域にいくつもの核子(陽子や中性子)が集まっていられるのか?
それは「強い力」が働いて陽子同士、中性子同士、陽子と中性子を結びつけているからです。
この「強い力」=「核力」の詳細、特に「三体力」と呼ばれる多体効果について研究しています。

普段のお仕事とプライベートについて教えてください。


例えばある日のスケジュールですが、
10:00 出勤 午前中はメールチェックや事務処理 
12:30 昼食をとりながら先生方とディスカッション
13:30 実験準備 学生実験 
17:30 研究 (データ解析や論文を読む)
22:00 帰宅
といった感じです。
 加速器と呼ばれる装置を利用した実験を行うため、国内外に出張することも多く、土・日に関係なく働くことがあります。ですから休みの日にはリフレッシュするために、よくスキューバダイビングへ出掛けます。
 大学卒業時に免許もとっているので、宮崎大学へ着任が決まったときは、宮崎の海でスキューバダイビング出来ることが楽しみのひとつでもありました。

これから研究者を目指す女性へメッセージをお願いします。

理工系の研究業界は、確かに女性が多いとはいえませんが、その分実力勝負であり、個性が尊重される社会です。活躍できる機会もすべての人に与えられています。
女性の働き方について、現在を「黎明期」と考えるならば、研究という世界で開拓者精神をもって大いにチャレンジしてほしいと思います。そして現在進められている女性研究者支援も「活用するぞ!」という意識で、前向きな研究者を目指してください。