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女性研究者紹介 詳細

2010/04/06

農学部 食料生産科学科 動物生産科学講座 動物環境管理学分野 長谷川 信美 先生

宮城県仙台市生まれ。
東北大学農学部卒業。帯広畜産大学大学院畜産学研究科修士課程修了。
土谷特殊農機具製作所・東北オリオン株式会社勤務。1992年 博士(農学)東北大学。
1995年 宮崎大学農学部助教授。2007年准教授。2009年教授。
1994年第17回日本畜産学会東北支部賞(学術賞)受賞(乳牛の生産性に関する行動学的研究)。

研究内容について教えてください。


植物は太陽エネルギーを使い、成長したものです。そしてこの植物を、地球上で一番多い動物である牛などの草食動物がエネルギー源として利用します。
つまり、太陽エネルギーを一番効率よく利用しているのが草食動物なのです。
その大きな力をうまく利用できないかを研究しており、具体的には、低投入持続型家畜生産方式、動物福祉、地球環境保全をテーマとして、幼齢造林地放牧における牛の行動、阿蘇草原放牧牛の行動、飼育環境が牛の行動とストレスに及ぼす影響、草食動物が生態系に及ぼす影響について研究を行っています。

お仕事でのエピソードなどあれば教えてください。


2008年よりインド・カシミールのダシガン国立公園で「グッジャル族遊牧が絶滅危惧種カシミールアカシカ行動圏と生態系に及ぼす影響」に関する研究を行っており、8月に2週間ほどインドに行ってきました。
インドとパキスタンの紛争により、行き場をなくした遊牧民が国立公園内に入り、保全すべき国立公園が馬や牛、羊などの放牧地となっています。高山植物が採食され、かなり自然破壊が進んでいる状態です。
決して遊牧民が悪いわけではありませんが、この状況を改善し、双方がより良い環境を作れるようにデータの収集、解析を行っているところです。

これから研究者を目指す女性へメッセージをお願いします。


男性であれ、女性であれ、研究者になることは難しいことかもしれません。
研究の道半ばにしてあきらめる人もたくさんいます。
しかし、今は先が見えなくてもあきらめなければチャンスは必ずきます!特に最近は、前向きな女性が多く、修士の女子学生の比率は確実に増えているのを感じます。
自分が正しい、やりたいと思ったことは、例え困難があったとしてもあきらめずに頑張ってください。
左)長谷川先生
右)曹旭敏さん 農学工学研究科博士課程1年 中国人留学生 5才のお子さんがいるママさん研究者