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女性研究者紹介 詳細

2010/07/09

医学部 機能制御学講座 腫瘍生化学分野 兼田 加珠子 先生

大阪府吹田市生まれ
大阪大学人間科学部卒業
大阪大学医学系研究科修士課程修了
京都大学医学研究科博士課程修了
独立行政法人 医薬基盤研究所 特任研究員、大阪大学 特任研究員を経て現職。


研究内容について教えてください。


腫瘍生化学分野では、難知性白血病の発症のメカニズムや、白血病幹細胞、血液幹細胞の維持機構の解明に関する研究を行っています。未だ不明なところも多い分野ですが、患者さんの治療に繋がる基礎研究として、大変やりがいのある仕事です。
この研究に携わることになったきっかけは、亜鉛の研究です。生体内の微量元素である亜鉛は、様々な酵素の活性中心として働くだけでなく、シグナル分子として働いていることを示唆する知見が多く得られています。亜鉛の輸送体を働かなくすると骨形成に異常が出るなど、亜鉛の関連する遺伝子は様々な疾患の原因遺伝子となっています(白血病も然り)。亜鉛と生体の恒常性は密接に絡んでいて興味は尽きません。


プライベートや研究、その両立について教えてください。


仕事がオンでもオフでも、とにかく楽しく居ること。面白そうな事を探すこと。これが一番。
研究は携わった時間が直接成果に結びつくようなものではありません。夢見て行ない、考えて祈るだけです。叶える努力をしなければ、夢ではなくて妄想になってしまいます。やってみなければ結果は分かりません。
気になったら、まずやってみる。結果が出たらじっくり考える。やらない後悔より、やった後悔の方がましです。「〜たら、〜れば」の人生はないのです。自分は自分、人は人。
ダラダラしたらあとで急げば良いし、間違ったらやりなおせばいい。ただ、その寄り道から何かを得ようとする努力はしなければなりません。人生万事塞翁が馬なのですから。


これから研究者を目指す女性へメッセージをお願いします。


自分の長所と短所を十分に見極めて男女差にこだわらず一研究者としての意識を持ちましょう。「樹はいくら伸びても天まで届かない それでも伸びよ 天を目ざして」これは大阪大学の恩師の部屋に掲げられていた言葉です。厳しい言葉に思えますが、自らを律し発展しようと言う気持ちなしに研究は進みません。血のにじむ努力は必要ですが、命をすり減らす必要はありません。楽しみ且つ社会に還元できるような仕事に関われますように!