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女性研究者紹介 詳細

2010/10/19

工学部教育研究支援技術センター、 農学工学総合研究科 高塚 佳代子さん

熊本大学教育学部卒業後、宮崎大学工学部事務を経て現職です。
現在、農学工学総合研究科博士後期課程在学中です。
学外活動としては、今年、日本学術振興会プロセスシステム工学委員会委員になりました。委員長の先生からは、「なってから、がんばれば良いから」?? 等言われ、なりましたので、すべてはこれからです。
また、来年から2年間、計測自動制御学会の離散事象システム研究部会の幹事をさせていただきます。こちらは、厚意で誘い込んでくださった次期部会長さんの足を引っぱらないように努力したいと思います。

研究内容について教えてください。


研究テーマ
・離散事象システムの挙動表現モデルの開発
・離散事象システムの挙動の動作検証手法の開発
・並列離散型生産システムの制御系設計手法の開発
(上記に含まれないキーワード:多目的バッチプラント、リアルタイム・スケジューリング等)

この研究に携わるようになったきっかけを教えてください。


子供の頃は運動が好きで得意でしたが、生来の足の病気のため、大学は教育学部に進学するものの「座って出来る仕事でないと!」と病院で自覚のなさを指摘され、「まあ数学なら..」ということで、専攻を数学としたことが事の始まりです。就職は、中学数学教員の採用内定はもらいましたが、遅ればせながら将来を考え、“座って”数学を使う仕事をと思い、研究者は無理なので、当面、働きながら勉強しようと思い、教育学部数学教室の事務を希望しました。ところが、採用面接で、「人事は人事課が決める!」など言われ落ちました。しかし、後に補欠で工学部事務に拾っていただいたことが、全く関心外だった工学に目を向けるきっかけとなり、当時の応用物理の技官のK氏やS氏にお世話になり、工学の中の理論的な事に興味を持ち、ふと外を見ると情報工学科建設中だったので、現職に「なろう」と決めました。
その後、配属先のT先生の思いがけない提案と後の斬新な教育?のお陰で、また、同Y先生がネットワーク管理を一手に引き受けて下さったお陰で、(法人化や私生活でも色々ありつつ..) 苦しんだり時間もかかりましたが、徐々に自分に合った研究テーマに携われるようになり、進学までさせてもらい、現在に至ります。とはいえ、ここ数年、様々な能力不足を痛感し、方向転換も含め、色々思い悩んでいました。そんな折、外から支えてくださる方などにも恵まれ、思い直し、そんな皆さまのお影でなんとか続けさせていただいています。



これから研究者を目指す女性へメッセージをお願いします。


スタートが遅かったせいもあり、20代のころは、早くなんとかしたい気持ちが強く、女性としては、常軌を逸する生活をしていたと思います。ところが、後に、次女を600グラムの超未熟児で出産するなどあり、それまでの生き方を反省し、家庭のことに費やす時間は必然的にも意識的にも増え、その分、暮らしの中の様々な空間で仕事をする術を身につけました。
ただ、研究は大学に居なくてもできますが、大学に居ないとできない業務もたくさんあり、私の場合、その部分を、周りの男性スタッフにたくさん補ってもらえたため、研究を続けてこられたと、とても感謝しています。以前は、好きなだけ?大学に居られる男性研究者を「うらやましい」と思っていましたが、今は、つくづく「女性でよかった」と思っています。