平成21年4月27日、宮崎大学学長室において女性研究者奨励賞表彰式を行いました。
この賞は、文部科学省科学技術振興調整費女性研究者支援モデル育成事業に採択された「逆風を順風に　宮崎大学女性研究者支援モデル」の一環として新設したものです。
優れた研究業績を挙げた女性研究者に奨励賞を授与することにより、女性研究者の研究の質や意欲の向上、さらには自己実現の支援を目的としています。

平成20年度はフロンティア科学実験総合センターの上地珠代さんと医学研究科博士課程2年の直野留美さんが受賞者に選ばれ、この度、住吉学長が賞状と記念品を授与し表彰しました。

清花Athenaサポート室では受賞されたお二人にインタビューを行いましたので、ご紹介いたします。

女性研究者奨励賞　上地 珠代（うえち たまよ）さん

「好きで続けてきた研究がこのように評価されて大変励みになります！！そして今後はもっと社会に対して貢献できるよう、また後輩研究者に対しては何かを残せるよう、決意を新たにすることができました」と受賞の喜びを語ってくださったのはフロンティア科学実験総合センターで剣持教授の下で研究を行っている上地珠代さんです。
上地さんは、琉球大学医学部を卒業、同大学大学院医学研究科博士課程を3年で終了した後、宮崎大学博士研究員として勤務されています。
現在は、すべての生物に存在する細胞内でタンパク質をつくっているリボソームについて研究をなさっており、特にゼブラフィッシュを使う研究が注目を集めています。

「この分野ではとても期待されている研究です。今後のライフワークについて考えることもありますが、今の研究には魅力を感じると同時に研究に対する責任があると考えています。ですから、私生活と研究のバランスを保ちながら、少しずつ結果を出していくというスタンスで頑張りたいと思います。」
研究をする上で困難を感じたことはありますか？という質問には「今はまだ非常勤という安定しない中でプロジェクトを進めなければならない立場ですが、よき指導者・仲間に出会えたことがよい結果につながっています。」と、研究環境について触れられました。
そして、「女性と男性がバランスを保ち、協力すればよい研究環境が整うはずです。お互いに対してよい刺激となるような環境を目指し、期待して研究に興味を持っていただきたいと思います。」と研究者を目指す女性へメッセージをいただきました。

女性研究者奨励賞　直野 留美（なおのるみ）さん

「体にやさしい痛み止めの開発と、痛みのメカニズムについて研究しています」と語ってくださった医学研究科博士課程３年で西森教授の下で研究をしている直野留美さん。
「私はこんな研究をやっています！と伝えられるようになったのは、ここ半年のことなんです。難しいことを分かりやすく人に伝えるというのは決して簡単ではありませんが、ようやく自分の研究内容を自分の言葉で伝えることができるようになりました。」
直野さんは宮崎大学工学部を卒業後、医学研究科修士課程から博士課程へ。学部生のときとは違う分野での研究、しかも研究歴がまだ短いにもかかわらず、その素晴らしい研究業績で今回の女性研究者奨励賞受賞となりました。
受賞については「私が選ばれるとは思っていなかったので、受賞には驚いています。うれしいです。」という感想をいただきました。
「研究者を目指す女性へのアドバイスは、　研究と日常生活とのバランスを大切にすることです。
もし今後、「研究」を「仕事」に出来るならば、研究を進めるためにはクリエイティブな面（発想など）も必要になってくると思います。例えば料理や趣味を楽しんでいるときに研究のアイデアが思いつくかもしれません。
だからこそ研究だけに専念せず、いろいろなことに興味・関心を持ってチャレンジすることも必要だと思います。また、研究をサポートしてくださる方 (共同研究者やラボのスタッフ)に対する感謝の気持ちを持ち続けることも重要だと思います。」
「まず、研究を仕事と出来るような人(研究者)になることです。そして研究成果が多くの方に役立てられるような研究ができるよう努力したいですし、そのような研究ができたら幸せです。またその中でも、痛みを抱えていらっしゃる方のつらさや苦しみが和らげられるような体に優しい薬の開発に携わりたいです。」という目標を語ってくださいました。