宮崎大学
ニュースリリース

卒業生のいま:宮崎県内の水力発電を支える電気技師

2023年07月04日 掲載

岩元 奈美恵(いわもと なみえ)さん

2019年3月 宮崎大学工学部電気システム工学科卒業
2019年4月 宮崎県 総合政策部情報政策課
2021年4月 宮崎県 企業局 発電設備課 三財・岩瀬担当(現在に至る)

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1997年2月生まれ。宮崎県新富町出身。
宮崎県立佐土原高等学校卒業後、宮崎大学工学部電気システム工学科入学。
学生時代は淡野公一研究室に所属し集積回路などを学ぶ。
卒業論文のテーマは、「逐次比較型ADコンバーターの比較回数低減手法」。
中学時代はソフトテニス部に所属。
高校時代からバドミントン部に所属し、大学でもバドミントン部に所属。
3人兄姉の末っ子として生まれ、姉1人、兄1人。
持っている資格: 第二種電気工事士、第一級陸上特殊無線技士、工事担任者(第二級デジタル通信)、クレーン運転士、準中型自動車運転免許

■岩元奈美恵さんの仕事の内容

宮崎県企業局とは、宮崎県が経営する地方公営企業です。地方公営企業とは、地域住民の福祉の増進を目的として、地方公共団体が経営する企業のことをいい、水道事業や工業用水道事業、電気事業など、さまざまな事業を行っています。

宮崎県企業局では、現在、①「水力発電を主とした電気事業」、②「細島工業団地に工業用水を供給する工業用水道事業」、③「一ツ瀬川県民スポーツレクリエーション施設を運営する地域振興事業」の3つの事業に取り組んでいます。

一般の行政機関の財源が税金であるのに対し、地方公営企業の財源は、それぞれの事業で得られた料金が収入となっており、宮崎県企業局では主に水力発電所で発電した電気を九州電力へ売電することで収入を得ています。実は宮崎県内には14の水力発電所があり、これほど多くの発電所を持っている都道府県は全国的に見ても珍しく、全国第3位の規模となっています。

その企業局で、私は4つの水力発電所を担当し、発電機の点検や保守、修理などを行っています。普段は宮崎市にある企業局庁舎から集中監視制御をしており発電所は無人ですが、現場での定期点検を発電所毎に月2回行っています。

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△ 定期点検の様子

20230622_iwamoto_03.jpg△ 2023年度現在担当している岩瀬川発電所(都城市)

■宮崎大学との出会い

私の実家は、PC等を新富町内の小中学校や役場に卸したり、ネットワーク管理や、家庭PCのトラブル対応を行ったりとIT関連の仕事をしています。小さいころから電気通信業がとても身近にあったので、自然と工学系の道を志していました。親の勧めや兄姉が大学へ進学していたこともあり、中学生の時から大学への進学は視野に入れていたので、高校は工業系で進学率の高い佐土原高校通信工学科へ入学しました。

元々は県外に出たいという気持ちがあったので県外の大学を目指して勉強をしていたのですが、高校2年生の時に宮崎大学工学部の先生が出前講義に来られました。その時に出会ったのが淡野先生でした。その当時、クラスで明確に大学進学を考えていたのが私だけだったので、すぐに淡野先生に顔と名前を覚えられてしまいました。(笑)

それから何度か連絡を取る機会があり、淡野先生にも県外の大学に行くことを話していたのですが、気づいたら宮崎大学に誘われ、そのまま宮崎大学電気システム工学科に入学していましたね。(笑)

いざ、入学してみると、同級生51人のうち、女子学生は私1人だけだったんです。最初は少し寂しい気もしましたが、他の学科の女子学生とも交流はありましたし、学科の男子学生も男女関係なく接してくれたので、最終的には20人くらいのグループで授業を受けたり、テスト勉強をしたりして学生生活を過ごしていました。

20230622_iwamoto_04.jpg△ 工学部ソフトボール大会にて(前列右:岩元さん、後列左:淡野教授)

■楽しかった宮崎大学生活

高校からはじめたバドミントンを大学でも続けて、私の大学生活はバドミントンに打ち込む日々でした。週5回の練習があり、色々な大会にも出場し、多くの県外大学に遠征にも行きました。先輩方もとても優しく、部活のことだけでなく大学のイベントや試験のことも教えてもらえるので部活やサークルに入ることは色々な面でオススメです。(笑)

宮崎大学バドミントン部はOBとの繋がりが強く、2年に1度交流会が開かれるのですが、九州学生バドミントン選手権大会で、男子は1部リーグに女子は2部リーグに昇格することができたことをOBのみなさんに報告できた時はとても嬉しかったです。

また、アルバイトは、ハンバーガーカフェを4年、市内の居酒屋を2年、どちらもオープニングスタッフとして開店時から働いていました。接客をする際、相手が何をして欲しいのか先に考えてサービスを提供するという、先を読む力を身に付けることができたとてもいい経験でした。他にも、コンサートバイトでは、ライブやイベントのスタッフとして参加でき、裏方の大変さや人を楽しませるために働くことの楽しさを知ることができる貴重な経験となりました。

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△ 南国情緒溢れる宮崎大学正門付近

■宮崎県民の皆さんが安心して暮らすために

現在、宮崎県庁内にいる女性の電気職は私一人しかいません。電気職が従事できる仕事には、企業局、営繕課、情報政策課、消防保安課、土木事務所などがありますが、土木事務所は24時間体制でペアでの勤務があるので異動ができないのが現状です。逆を言えば、土木事務所以外の部署は宮崎市内にあるので市外への異動がない唯一の県職になるかもしれません。(笑)

これから、もっと電気職の女性が増えて、男女関係なく活躍できるような職種になるといいなと思っています。そのために、まずは女性の電気技師が増えなければならないので、ぜひ多くの人にこの仕事のことを知ってほしいです。

宮崎県企業局での発電事業は県内の一般家庭で消費される3~4割の電気をまかなっています。私が保守・点検を行うことで安定した発電を維持することが県民の皆さんの生活を守ることに繋がっていると考えると、とてもやりがいを感じます。

高校生までは県外に出たい気持ちが強くありましたが、宮崎の人と触れ合うことで居心地の良さを再確認し、地元宮崎に貢献したいという気持ちが大きくなり、宮崎県庁への入庁を決めました。これからも技術を実践しながら学び、地元宮崎の安定した電力供給に貢献していけるように精進していきたいと思います。

20230622_iwamoto_06.jpg△ 屋外遮断器点検の様子

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△ 送電線点検時の様子

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△ 企業局にある中央制御室にて


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