農作業のリスク管理を学ぶ













植物生産環境科学科では、特別な教育プログラムでGAP指導者を育成しています。GAPはGood Agricultural Practiceの頭文字を取ったもので、日本では「農業生産工程管理(GAP)」と呼ばれています。農業生産活動の中で起きる様々な事故をリスク管理手法で未然に防ぎます。労働災害、食品事故、環境汚染等を防ぐことを目的にしています。このように生産現場でGAPを指導できる人材を育成しています。
また、GAPは持続的な農業につながるものであり、農業者がGAPに取り組むことでSDGs(持続可能な開発目標)の17項目のうち13項目に貢献することが出来ます。つまりGAPの指導を通じて、SDGsに貢献することにもなります。
本教育プログラムの修了生は10年で延べ255名になり、これは本学科卒業生の56%におよんでいます。また、本教育プログラムを通じて民間資格の「JGAP指導員」を取得した者は13年で延べ308名になりました。
本教育プログラムの修了者は、農業および食品関連企業等で活躍することが期待されます。すでに、都道府県の農業改良普及員や生産者団体の営農指導員として農家の指導にあたっている修了生もいます。
本教育プログラムは大学としては先駆的な取り組みで、社会的にも大きく評価されてきました。例えば、2013年に「日本GAP協会第3回GAP普及大賞(GAP普及に向けた教育プログラムの開発)」、2020年には「令和元年度未来につながる持続可能な農業推進コンクール農林水産大臣賞(GAP部門)」を受賞しました。
なお宮崎大学農学部は2025年4月より、6学科から2学科へと変わります。これを機に、農学部から本教育プログラムへの財政支援がなくなってしまいました。しかし担当教員らの努力により、新しくできる農学科動植物生命科学コースの中に何とか引き継がれることになりました。
GAPに興味のある高校生の皆さんには、ぜひ宮崎大学に来ていただき、一緒に学べたらと思います。
写真1 GAP指導のノウハウを学ぶ学生ら
写真2 JGAP指導員合格証を授与された学生ら