宮崎大学では暖地でも栽培できるラズベリーを育成するために、宮崎に自生しているナワシロイチゴとラズベリー栽培品種とを交配し、'07RUBIXP01'(登録番号第21801号)を育成しました。この品種は食味がよく、収量性が高く、無農薬栽培が可能です。卒業論文や修士論文を介して、地域の方々と共に、作出したラズベリー品種です。
平成28年度からは、宮崎県川南町や木村ファームの協力を得て、さらに美味しいラズベリーの品種改良や栽培試験を開始しました。川南町内に新たな研究圃場も造成しました。今回は、生食用だけでなく、川南町オリジナルのコンフィチュールやフルーツソースを作るのが目的です。
ぜひ、一緒に研究に取り組み、宮崎大学から世界に向けて新たな研究成果を発信しましょう。
農学部では、冬季にヤマメを海面養殖する技術開発に取り組んでいます。県北部の内湾で、五ヶ瀬産ヤマメを4か月余り海面養殖すると、冬季に淡水養殖したヤマメに比べ、体重が10倍近く増え、巨大化します。魚肉はほんのり桜色で、脂がのって美味しいと好評です。九州山系ヤマメの海面養殖技術の確立により、お刺身や加工商材の生産が期待され、宮崎県に新しい地域ブランド魚、"みやざきサクラマス"が誕生しました。
みやざきサクラマスは、春以降は淡水養殖も可能で、秋には成熟し、大粒の黄金色のイクラがたくさん採れ、魚卵の生産性も飛躍的に増大します。今後、みやざきサクラマスの生産性を上げ、宮崎県産の美味しいサーモン魚肉やイクラが、家庭の食卓を賑やかにしてくれることが期待されています。
詳しくは、こちら。
宮崎県北西部の高千穂郷・椎葉山地域は,長期的経営である林業と毎年の収入源である農業とをうまく組み合わせた農林業複合システムによって,森林と農林業の調和のとれた社会を実現している素晴らしい地域として,2015年に世界食糧農業機関より世界農業遺産に認定されました。宮崎大学ではこの地域の林業,農業,文化等を深く調査してその価値を客観的に評価する研究に取り組んでいます。
なかでも,遠い山奥の水源から等高線に沿って流れながら地域の棚田を潤す山腹用水路に着目し,その地形的な特徴や,誕生の歴史などを一つ一つ深く調査し,いかに地域にとってなくてはならない存在なのかのを地域の方々といっしょに水路を"さるき(歩き)"ながら共に探っています。