森林環境持続性科学コースの新入生が特急列車「海幸山幸」で実習に行きました
森林環境持続性科学コースでは新入生を対象に、森林生態系、防災、農山村の暮らしなどについて県内各地に足を運んで体験することができる実習(農学基礎実験・実習I)を実施しています。今年度は新しいメニューとして、木花駅と日南駅間を往復する特急列車「海幸山幸」をチャーターして、王子製紙株式会社 日南工場を見学する実習を行いました。
「海幸山幸」は宮崎県産の「飫肥杉」を車内や外観に使用しています。1年生は列車に揺られながら車窓から見える風景を題材に宮崎の地形、森林環境、防災、林業、森林資源の利用について学び、神話の里宮崎と日本書紀の関わりについての話を聞きながら日南に移動しました。とくに、森林資源の利用では王子製紙株式会社 日南工場を見学するための基礎知識として、紙の製造工程の概要を学びました。
王子製紙株式会社 日南工場では、まず、パンフレットが配布され王子製紙株式会社 日南工場についての動画を視聴しました。王子製紙株式会社は印刷用紙を製造している工場で、とくに白色度の高い印刷用紙の製造に特化していることを学びました。引き続き、王子ホールディングス全体の説明動画を視聴しました。王子ホールディングスは日本国内に社有林を最も多く所有する企業です。段ボール、印刷用紙および特殊用紙を製造するだけでなく、広大な社有林を活用する事業も手がけており、ネイチャーポジティブに積極的に取り組んでいることを学びました。質問の時間には、学生さんからは紙の製造や品質だけでなく、森林資源の利用と環境保全のバランスについての質問や研究職についての質問など、たくさんの質問がありました。その後、マイクロバス3台に乗車して、チップヤード、構内設備、油津港を見学しました。最後に、工場内を徒歩で移動しながら、パルプから紙になる工程や紙が製品として梱包されるまでの工程を見学しました。王子製紙株式会社日南工場では、コロナ以降初めての工場見学受け入れだったそうで、説明して頂いた社員の皆さまも嬉しそうでした。
実習で得た経験や知識は2年生以降の実習や専門科目の講義に活かされます。加えて、将来のキャリア形成に今回の実習が役立つことを期待しています。また、往復2時間弱の列車移動によって、森林環境持続性科学コース学生さんの絆が深まったのでは?と考えています。
特急列車「海幸山幸」▼
乗車記念撮影▼
教員の説明を聞き,車窓から森林景観を学びます▼
車内でリラックス▼
王子製紙株式会社社員の方から説明を聞きます。▼
チップヤードを見学。▼
引率した櫻井先生(左)と篠原先生(右)▼