県内の海水浴場に漂着した強い毒をもつクラゲ"カツオノエボシ" について和田葉子 助教がMRTの番組で解説しました
7月30日(水)、MRT宮崎放送の番組で宮崎県内の海水浴場で強い毒をもつクラゲ「カツオノエボシ」と「ギンカクラゲ」の漂着が相次いで確認されたことが紹介され、海洋生命科学領域の和田葉子 助教が専門家として番組で解説され、その内容を國武久登 農学部長に報告されました。
気温も上がり多くの家族連れや観光客が海水浴に訪れる中、宮崎県内の海水浴場で毒をもつ「カツオノエボシ」と「ギンカクラゲ」の漂着が相次いで確認されており、県内で大量に見つかるのは珍しいとされています。
カツオノエボシとギンカクラゲはクラゲの中でもヒドロ虫綱に分類され、特にカツオノエボシは数メートル(最長10m以上)にも伸びる触手をもちます。触手には刺胞があり,触れてしまうと刺胞から毒針が飛び出します。皮膚の中に入ると,強いかゆみや痛みが起こり、くしゃみや咳のほか、心拍数の上昇、時に呼吸困難などを引き起こし痛みが数日間続くと言われています。
2度目に刺されてしまった場合、アナフィラキシーで死亡に至る可能性もあるとされます。
また,カツオノエボシ自体は死んでいても,触手に触れると刺胞から毒針が出てくるので打ちあがって動いていなくても注意が必要です。
さらに,現在,海岸ではこのカツオノエボシやギンカクラゲを餌として捕食する「アオミノウミウシ」も発見されています。アオミノウミウシは,クラゲをただ食べるだけでなく,毒針の入った刺胞を盗み,突出しているミノの部分に蓄えて利用しています。そのため,このアオミノウミウシにも触らないことをお勧めします。
見つけても・死んでいても絶対に触らない、刺されてしまった場合には,決して患部をこすらず,海水で洗い流し、すみやかに医療機関を受診するようにしましょう。
△和田 助教
△左:ギンカクラゲ 右:カツオノエボシ
△アオミノウミウシ