日本地理学会2025年春季学術大会および第27回 日本水大賞受賞
日本地理学会2025年春季学術大会高校生ポスターセッションにおいて、宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校のポスター発表が「会長賞」を受賞しました。
五ヶ瀬中等教育学校は2023年度から「新時代に対応した高等学校改革推進事業(創造的教育方法実践プログラム)」に指定されており、宮崎大学農学部 森林環境持続性科学領域の竹下伸一 准教授もコンソーシアムメンバーとして,おもに地理探究授業の指導をされました。
2024年度には世界農業遺産高千穂郷・椎葉山地域の「山腹用水路」の特異性を高校生の目線で考える取組を指導・支援されており、その成果が発表され、日本地理学会2025年春季学術大会「会長賞」および第27回 日本水大賞「国土交通大臣賞」を受賞されました。
日本水大賞については、7月に日本科学未来館にて表彰式および受賞活動発表会が行われる予定です。
五ヶ瀬中等教育学校のみなさん、この度は受賞誠におめでとうございます。
2025年春季学術大会 高校生ポスターセッション発表タイトルおよび要旨
(発表番号,発表タイトル,発表者(学校名),発表要旨)
65 デジタル×リアルで解き明かす世界農業遺産 高千穂郷・椎葉山地域の「山腹用水路」の特異性
上埜五喜さん・椎葉梅嘉さん・坂本朋佳さん(宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校)
世界農業遺産(GIAHS)に認定されている「高千穂郷・椎葉山地域」(宮崎県北5町村)において,その構成要素として重要な棚田の景観を支える長大な「山腹用水路」を対象として,GIS活用とフィールドワーク,文献調査等を組み合わせた様々な分析により,その「山腹用水路」の特異性を明らかにする。宮崎大学農学部竹下准教授との協働により,山奥の水源から数十kmにわたって延びている「山腹用水路」が,どの程度曲がりくねっているかを示す「水路迂回度」の計算を行うことで,平野部の用水路との設計思想の明白な違いを明らかにした。また,現地調査と文献調査により,明治~昭和初期にかけて建設に携わった先人の知恵や努力の存在が浮き彫りになった他,GISを活用して地質図と重ね合わせることで,阿蘇山の火砕流台地と「山腹用水路」の間には密接な関係性があり,それが地域内における農業景観の違いを生み出していることを明らかにした。
また、第27回日本水大賞では「文理融合」「デジタル×リアル」で探究する宮崎の水防災・水環境をテーマにした活動が選ばれ、国土交通大臣賞を受賞しました。
日本地理学会2025年春期学術大会高校生ポスターセッション:https://www.ajg.or.jp/20250313/22749/