安達 鉄矢 R3(2021).4.1~ テニュア職(農学部植物生産環境科学科 准教授)
- 研究分野:農学系 応用昆虫学分野
- 研究課題:プラントクリニックにおける植物病の診断技術の開発および農業害虫に対する生物的防除を中心としたIPM技術の開発
- TT期間:H29.2.16~R3.3.31
プラントクリニック ウェブサイト
農林水産省は、みどりの食料システム戦略で2050年までに化学農薬使用量(リスク換算)を50%低減させることを目指しています。私は化学農薬使用量を低減させる防除手段として、害虫の天敵を利用した生物的防除法や光などを用いた物理的防除法などの研究をしています。
生物的防除法に関しては、TT時代(2018年)に開始したカリフォルニア大学との共同研究を現在も続けており、JSPSの支援により奄美大島などで調査をして、天敵の種構成を明らかにしてきました。物理的防除法に関しては、侵入害虫に対するプロジェクト(JRA事業)の代表となり、農研機構、九州・四国地域の公設試、民間企業、本学の研究者とともに研究を進めてきました。
1.略歴
学歴
- 2000年4月-2004年3月 京都府立大学農学部生物生産科学科
- 2004年4月-2009年3月 広島大学大学院生物圏科学研究科博士課程
- (2006年10月-2007年3月) University of Arizona, Department of Entomology
- 2009年 博士(学術)(広島大学)
職歴
- 2007年4月-2009年3月 日本学術振興会特別研究員(DC2)
- 2009年4月-2011年3月 大阪府環境農林水産総合研究所 任期付研究員
- 2011年4月-2015年3月 高知県農業技術センター研究員
- 2015年4月-2016年3月 高知県農業技術センター主任研究員
- 2016年4月-2017年2月 高知県農業技術センター主任研究員および高知県病害虫防除所主幹(兼務)
- 2017年2月-現在 宮崎大学テニュアトラック推進機構助教(応用昆虫学分野)
2.研究内容紹介
研究テーマは、1)プラントクリニックにおける植物病の診断技術の開発と2)農業害虫に対する生物的防除を中心としたIPM技術の開発です。1)に関しては、農業現場で発生する病害虫等について分子生物学的手法を用いた同定方法を開発していく予定です。また、2)に関しては、害虫や天敵の生態等を解明し、農業現場で使える防除法を開発していきたいと考えています。
3.研究業績
学術論文(主要なもののみ)
- Adachi-Hagimori, Tetsuya*, Manabu Shibao, Hiroshi Tanaka, Tomokazu Seko and Kazuki Miura Control of Myzus persicae and Lipaphis erysimi (Hemiptera: Aphididae) by adults and larvae of a flightless strain of Harmonia axyridis (Coleoptera: Coccinellidae) on non-headed Brassica cultivars in greenhouses. BioControl 56: 207-213 (2011) (査読あり)
- Adachi-Hagimori, Tetsuya*, Kazuki Miura and Yoshihisa Abe Gene flow between sexual and asexual strains of parasitic wasps: a possible case of sympatric speciation caused by a parthenogenesis-inducing bacterium. Journal of Evolutionary Biology 24: 1254-1262 (2011) (査読あり)
- Adachi-Hagimori, Tetsuya*, Kazuki Miura and Richard Stouthamer A new cytogenetic mechanism for bacterial endosymbiont – induced parthenogenesis in Hymenoptera. Proceedings of the Royal Society of London Series B 275: 2667-2673 (2008) (査読あり)
- Hagimori, Tetsuya*, Yoshihisa Abe, Shuichi Date and Kazuki Miura The first finding of a Rickettsia bacterium associated with parthenogenesis induction among insects. Current Microbiology 52: 97-101 (2006) (査読あり)
- Anna G. Himler, Tetsuya Adachi-Hagimori, Jacquelyn E. Bergen, Amaranta Kozuch, Suzanne E. Kelly, Bruce Tabashnik, Elad Chiel, Victoria E. Duckworth, Timothy J. Dennehy, Einat Zchori-Fein and Martha S. Hunter* Rapid spread of a bacterial symbiont in an invasive whitefly is driven by fitness benefits and female bias. Science 332: 254-256 (2011) (査読あり)
- Yuta Owashi, Toma Minami, Taisei Kikuchi, Akemi Yoshida, Ryohei Nakano, Daisuke Kageyama, Tetsuya Adachi-Hagimori (2023) Microbiome of Zoophytophagous Biological Control Agent Nesidiocoris tenuis (published online) Microbial Ecology
リサーチマップ
4.新聞報道
- 「低温に強いアカメガシワクダアザミウマ、イチゴ天敵に利用」(日本農業新聞)(2015)
- 「土着天敵ヒメカメノコテントウ、アブラムシ類防除に有効」(日本農業新聞)(2015)
5.外部資金
- 日本学術振興会特別研究員奨励費(2007-2008年度)
- 農水省系外部資金、委託研究費等
6.資格など
- 普及指導員資格
- TOEIC895
7.連絡先
安達鉄矢(宮崎大学テニュアトラック推進機構テニュアトラック助教)
〒889-2192 宮崎市学園木花台西1-1 宮崎大学農学部北棟724
TEL/FAX:0985-58-7547
E-mail: tadachi(at)cc.miyazaki-u.ac.jp
(at)を@に代えてください。