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女性研究者奨励賞

2013/04/03

女性研究者奨励賞 平成24年度 上村涼子さん

平成24年度女性研究者奨励賞採択者レポート


「女性研究者奨励賞」の表彰者よりお話をうかがいましたのでご紹介いたします。

宮崎大学農学部獣医学科 助教 上村涼子さん

研究内容をおしえてください。


 現在、2つのテーマを主軸に研究を行っています。1つは、細菌の一種であるMycoplasmaの感染に因って起こる、子牛のMycoplasma肺炎に関する研究です。本菌は、特に他の病原体と混合感染して重篤な病態を引き起こすことから、この混合感染のメカニズムについて、病原学的および病態学的に調べています。もう1つは、コクシジウムが関与した家畜の下痢症に関する研究です。原虫の一種であるコクシジウムの寄生が動物の腸内環境を乱し、他の下痢原性細菌の定着を促すことを示しました。現在、このメカニズムおよび制御法に関する研究を行っています。

進路選択や現在の研究に携わるようになったきっかけは何ですか?


 大学6年まで、研究者としての進路は意識していませんでした。大学院進学への進路決定は、当時の指導教員(現在の研究室上司)から強く勧められたことがきっかけになりました。結果的に、中学生のころから夢に描いていた「専門家または技術者として国際・地域貢献する」ことに向け、具体的に舵を取ることになりました。博士課程修了後、一度は行政人となったのですが、やはり指導教員との再会がきっかけで大学に戻ってきました。このようなことから、常々、「有言実行(私的解釈:夢や希望を人に伝えることで、出会いが生まれ、夢が実現するきっかけが生まれる。それを活かせるかどうかは本人の努力次第)」することの重要性を感じています。

研究のやりがいと今後の目標は?


 研究のやりがいというよりは、苦悩の中で日々過ごしています。もっと素直に研究を楽しむことができるよう、現在の立場を利用しながら研究を進めたいと思っています。
家畜を病気にさせないという指導教員の教えを基盤として、予防獣医学とそれを実践できる人材の育成ができるよう、大学人としても精進の日々です。
いまだ研究者としては半人前ですが、目標はやや高めに、「家畜衛生」「牛のMycoplasma感染症」「家畜の下痢症」といえば「UOMのR. Uemura」の名が挙がるよう、“有言実行”していきたいと思います。

女性研究者奨励賞受賞の感想をお願いします。


 今回、「女性研究者奨励賞(教育部門)」を頂きましたこと、大変光栄に存じます。まずは、菅沼学長をはじめ、関係者の皆様に御礼申し上げます。当然のことながら「教育」は一人でできるものではありません。特任助教として本学に着任して以来、多くの先生方に支えて頂き、また学生と接する中で私自身も試行錯誤しながら勉強できたことが実を結んだ1つの結果だと思っています。今回の受賞はそうした皆様へのご恩返しができたとともに、今後も研究・教育・地域国際貢献三位一体であるべき大学人として力と経験を積めるよう、諸先輩先生方を習って精進しようと改めて誓う機会となりました。
前列左側がご本人です

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