産業動物臨床獣医師~学部学生の実践教育と卒後教育~
連携先:宮崎県農業共済組合連合会、みやざき農業共済組合
宮崎県は、肉用牛の飼養頭数で全国3位(シェア10.1%)、豚の飼養頭数で全国2位(シェア9.2%)、ブロイラーの飼養羽数で全国2位(シェア17.2%)など、畜産を基幹産業とする地域です。
当地域に立地する国立大学として、また本学の理念である地域社会の学術・文化の発展と住民の福利に貢献するべく、産業動物獣医学を教育することは不可欠です。
また、全国的に、産業動物分野に携わる獣医師不足は喫緊の課題となっています。平成21年の農林水産省獣医事審議会計画部会による報告では、その要因として獣医学教育で産業動物臨床の意義や魅力について知る機会の少なさがあげられており、さらに卒業後の教育(卒後教育)の充実や最先端の獣医療技術の取得の必要性が求められています。
これまで数十年にわたって、本学農学部獣医学科とみやざき農業共済組合が連携し、宮崎市内10戸程度の黒毛和種牛生産農場を対象に、定期繁殖検診を通じた農場の指導、学部学生の実践教育を行っています。
また、平成23年より年1回、宮崎県農業共済組合連合会主催の新任獣医師研修会の一部を本学農学部獣医学科および産業動物防疫リサーチセンター共催とし、本学木花キャンパスで、牛の臨床繁殖に関する講義および実践演習を通じた卒後教育を行っています。
臨床現場での実践教育は、学部学生にとって産業動物臨床の意義や魅力を知る機会となり、またオーナーとの対話によるコミュニケーション能力の醸成にも一翼を担っています。
卒後教育では、臨床に必要な基本手技について学び直し、さらに最新の医療技術を教授することで、知識と技術力の両面の向上を図っています。
これまで行ってきた学部学生教育、卒後教育を礎に、地域や関係機関とともに体系立てた教育プログラムの開発に努めたいと思います。
畜産基地に立地する大学として、産業動物獣医学に精通した獣医師を輩出することに努めるとともに、地域の発展に寄与する卒後教育を関係機関とともに構築すべく、努力してまいります。