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紫外線を照射したキノコ類は水産物の脂質酸化を抑制しビタミンDを強化

農学研究科海洋生物環境科学コース修士課程2年生の城戸柊平さん、医学部整形外科 帖佐悦男教授、農学部海洋生物環境学科 田中竜介教授の研究グループは、紫外線を照射したキノコ類を水産物に添加すると、水産物の脂質酸化を抑制し、ビタミンD含量が増強する効果があることを明らかにしました。

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水産物にはEPADHAなどの高度不飽和脂肪酸やビタミンDが多く含まれていますが、酸化によってこれらは減少します。一方、キノコ類はビタミンDが多く含まれており、紫外線を照射することによりビタミンDが増加します。また、キノコ類には脂質の酸化を抑制するエルゴチオイネンが含まれています。従って、水産物に紫外線を照射したキノコ類を添加すると、水産物の脂質酸化を抑制し、ビタミンDを増強させることが考えられ、本研究によって明らかとなりました。

ここで人間の骨形成にはカルシウムやリン・ビタミンDが必要とされていますが、水産物にはカルシウムやリンも多く含まれており、これにビタミンDを多く含む紫外線を照射したキノコ類を添加すると、骨形成に必要な成分を含む食材を作ることができます。

本研究では6種類のキノコ類を調査しましたが、宮崎県産のエリンギをはじめとして、ヒラタケ、マイタケに効果が見られ、水産物として宮崎県産の養殖カンパチを使用しました。従って、宮崎県産の食材で機能性の高いEPADHAを多く含み、さらに骨形成に必要な成分を含む食材を作ることができます。

本研究成果は、2022818日に国際学術雑誌Food Chemistry (IF=9.231) のオンライン版で公開されました。

▽詳細はこちらから▽

・研究者データベース
田中竜介 https://srhumdb.miyazaki-u.ac.jp/html/100001000_ja.html

【論文情報】
The effect of six dried and UV-C-irradiated mushrooms powder on lipid oxidation and vitamin D contents of fish meat
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0308814622018799


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